第4話 ギルド公認雑用係 その四
サック、ルノア、ジャムの三人は子猫亭へ向かい歩を進めていた。
「そういえばサックさん、リオルカ様の事で
驚いておられましたが、何か思うところが
おありですか?」
ルノアが聞いてきた。
「先日亡くなった僕の義理の祖父です…酒飲
んでるとき武勇伝を聞かされていた通り有
名人だったんだなぁと」
少し肩を落としながら歩いていると、二人がその場に止まり愕然としてたたずんでいる。
「あの、どうしました?」
二人に訪ねると一気に距離をつめられてその場にしゃがみこまされヒソヒソと話し始める
「サックさんはリオルカ様と一緒に住んでい
たのですか?どんな繋がりが?」
「伝説の武術家が他界二ゃ?重大事件二
ゃ!」
ヒソヒソと小声でまくしたてられる。サックも小声で話す。
「落ち着いてくださいよ二人とも。子猫亭で
食事しながら答えますから、往来でしゃが
みこんでては迷惑ですよ。」
辺りを見ると大分目立っていた。リノアは真っ赤になりうつむき、ジャムはニャハハと頭に腕を組み笑っている。
「そ、それでは行きましょう。」
三人は子猫亭へと向かいスタスタと歩き始めた。
ギルドから十分位の場所に子猫が魚をくわえた絵看板がかかる建物にたどり着いた。
「あの子猫の看板の建物が子猫亭二ゃ。
おかぁさ~んご飯くれ二ゃ!」
「飛び込んでくるんじゃないよ!危ないだ
ろ!(ボカン!!)」
店に飛び込んだジャムの「フニャッ!」の声のあと店から笑いが聞こえてきた。
リノアを見るとクスクス笑いながら
「子猫亭はジャムの実家なんです。
いつもなんですよ…あれ。」
「席はゲットした二ゃ!早く来る二ゃ~!」
頭をさすりながら店から顔をだし手招きしている。若干涙目である。
子猫亭に入るとお玉を持った長身の猫獣人さんが迎えてくれた。
「いらっしゃいリノアちゃん…と、新しい顔
だね。ギルドの新人さんかい。」
「この方は新人の冒険者ですよ。泊まる所の
紹介を頼まれまして、こちらを紹介させて
もらいました。」
「そう二ゃ!」
ジャムはもう食べ始めていた。頬袋を作りながらフォークを掲げている。
横目で黙々食べ続けているジャムを見て一息「はぁ~」とため息をつきにっこり笑いサック達を見る。
「アタシはここの主人で【シャルト】ジャム
の姉さ。お客様は大歓迎。まぁまず食事だ
ね。席に着いて待ってな。すぐ注文取りに
行かせるから。」
「早く来る二ゃ」
と自分の座る席へ招くジャムを見て笑いながら向かう二人だった。
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