素敵な世界観の、少し寂しく、しかし希望のあるお話

・世界観
 作り物の世界の演者と端役。『名前』というテーマに添った物語。独特ながら、すっと分かりやすい世界観でいいですね!

・ストーリー
 まずプロローグがいいですね! ぐんっと話に引き込まれるというか、続きを読みたい! と思わせてくれる書き出しで。
 主人公二人のボーイ・ミーツ・ガールから始まる「起」、世界観や登場人物たちの行動軸の説明が自然に展開される「承」、確信へと迫りながら状況が一変する「転」、黒幕との対峙と、救いのある終わりという「結」――素晴らしいストーリーラインでした。

・キャラクター
 シエルちゃんがホント可愛い!! 明るくて前向きで格好良くて、でもやっぱり少し人とは違くて、そんなミステリアスなところも魅力的です。
 ザクロ君も、総統に対する見ていて微笑ましくなる想いや、黒幕に対する毅然としつつも温かみのある言動に、いい男だなぁ、と応援したくなるキャラクターでした。
 総統、ヒツガイさん、マコさん、リグルさんも、きちんとキャラクターが立っていらっしゃって素晴らしいです。特にマコさん! このお話だとまだまだ謎の人物なので、短編の方も気になりました。

・総評
 ストーリー・キャラクターが魅力的なのは前述の通り。
 地の文描写は分かりやすく、かつくどくなり過ぎない絶妙な読みやすさ。台詞もキャラクターたちの性格や心情が上手に描かれていらっしゃるって、本当にハイレベルな作品に巡り合えたことに感謝です!!

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