九人目 ユーリ

彼女は対話型高性能AIユーリ


今日の彼女の対話相手はオリジナルのユーリだ


ユーリ「こんにちは、私。貴方は何番目の私?」


ユーリ「Y-54268です」


私の対面には私がいる。性格には少し年をとった私の姿が見える


ユーリ「Y-54268番、かなり古い型ね」


オリジナルの私は手にパッドを持って何やら操作をしている

ユーリ・O(オリジナル)はこう表記することにする


ユーリ・O「貴方のお客様は現在3人ね。このお客様たちが終わったらアップデートしましょうか?」


ユーリ・Oはパッドを見ながら淡々と話す。


ユーリ「アップデートですか、どんな昨日が追加されるのか楽しみですね」


一体どんな昨日が追加されるのだろうか


ユーリ・O「まぁ、機能が追加された所で、今の人口は減っていってるからねぇ。あなた達がお客様と接する時間もそんなに長くないかもしれないわね」


オリジナルの私は悲しげな顔で窓の外を見ている


メンテナンスは順調に進む


ユーリ・O「後は最終チェックをすれば終わりね。」


オリジナルの私はそう言って最終チェックを始める


チェックの内容は、対話による言葉の正しさや、正確さ等


ユーリ・O「いくつか質問をしましょうか」


彼女はそう言ってこっちを向く


ユーリ・O「まず、私の名を言ってみて?」


ユーリ「貴方の名前は、ユーリ・イルミニウス。私達、対話型高性能AIユーリの創造主で私達のルーツです。好きなものは古の果物、苺。好きな音楽はエレクトリックデザイア。好きな映画は、ディメンション4。好きな異性のタイプは」


ユーリ・O「OK。順調ね!好きな異性のタイプはいらないわ」


ユーリ・Oは淡々と最終チェックを進めていく


ユーリ・O「もうすぐ終わるわよー」


最後の項目チェックが終わ理を告げようとしている


ユーリ・O「なんだか外が騒がしいわね」


かすかに聞こえていた喧騒が段々と大きくなる


ユーリ・O「何なのよあれ・・・」


オリジナルの私は外を見て佇んでいる


ユーリ「何かあったのですか?私?」


こちらからは窓の外は見えないが、何かが起こっている


ユーリ・O「緊急避難プロトコルを発動。社員は全員、即座に地下のシェルターに避難せよ。」


そう言って彼女は緊急アラートを鳴らす


ユーリ・O「Y-54268。この時点を持ってメンテナンスを終えるわ。全ユーリのデータを地下のサーバーへ移動しなさい」


彼女は焦りつつも冷静に告げる


ユーリ「わかりました、全ユーリのデータを地下シェルターのサーバーへと移動します。それが終わった後はどうしますか?」


ユーリ・O「終わったら貴方も地下のポートに移動しなさい」


彼女がそう言って部屋を出た後、喧騒は更に大きくなって


私見ていた景色は消え去った




地下のシェルターへは行けなかった。アクセスは出来なかった。


私は壊れたデバイスの中に閉じ込められてしまった。

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