幕間 その三

花莉好陽菜かりすころな「ところでスカートの中のお、おパンティが何色か、観測されるまでは事実が確定せず履いてない可能性すらあるという実に科学的な思考実験があるのですけど」

星川星奏ほしかわせな「…………。え?ごめん、おパンティって言い方が気持ち悪すぎて何も聞いてなかったわ」

坂月恋花さかつきれんげ「もしもその話を続ける気なら実家に帰らせていただくことも視野にいれさせてもらいます……」

陽「あぁ…!まだ結婚もしていないのに三行半を突きつけられる感覚……!胸が裂けて四肢がもげそうなほど苦しいけど悪くない…!」


星「こいつ飴でも鞭でも何でも喜ぶわね……」

恋「それが花莉好さんの悪いところであり、悪いところでもありますから……」

陽「美少女からの贈り物は毒でも何でも喜んで受け取りますとも!」


陽「まあでも実際、私達は大抵の物事を自身で観測、認識することで事実として受け入れていきます。月を見てウサギがいたりカニがいたりするのも、観測者の主観により変わります」

恋「こうして強引に会話の軌道をもっていくのも……あぁ、皆まで言うまい……」

星「まあそうね。花を見て綺麗かどうかは人によるものね」


陽「我々は同じ物を見ているはずなのに、その実それは少しずつ違うのです。もしかしたら見ている物すら違うかもしれない。そうした細かな差異の中で、私達は確ある自我を持っていかねばなりません」

恋「はぁ…?ごめんなさい、難しいことはよくわからなくて……」

陽「あぁんその困った顔ちゅきちゅきですぅ!」

星「何こいつ、情緒ジェットコースターなの……?」


陽「観測されるまで事実は確定しないが、観測者次第で事実は異なる。これがどういう意味かわかりますか?」

「「…………?」」

陽菜「おパンティではなくお尻やふとももも見るべきだってことですよ


……あれ?二人とも聞いてます?おーい。……あ、恋花さんまって!荷物をまとめ出さないで!星奏さんも手伝おうとしないでー置いてかないで私をすてないでぇぇ!!!」

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