幕間 その二

花莉好陽菜かりすころな「ところでこれはまったく私とは無関係で決して私の話ではない私の友達の話なのですが」

坂月恋花さかつきれんげ(自分のことを話すときの定番の前振りですね)

星川星奏ほしかわせな(これはコロナの話ね。間違いないわ)

陽菜「彼氏に浮気をされた場合、どの程度の報復が妥当か皆さんの意見を聞きたいのですけど」

恋、星(絶対に自分の話じゃない……)


恋「え、えーっと……ほ、報復って手段がそもそも物騒だからあまりそういうのはよくないっていうか……まず話し合って……」

星「まず指の骨を折るわ」

恋「星川さん!?」

陽「軽いですね。指飛ばしましょう」

恋「飛ばす!?そんな玩具じゃないですから……!」


陽「冷静に考えてみてください。愛を確かめあい関係を明確にした相手を差し置いて別の人にお猿さんになってぴゅーぴゅー色んなもの飛び散らせたんですよ?指の一本や二本びゅーびゅー飛び散らせたって文句言えませんよ」

恋「この言葉、未来の花莉好さんの首を絞めてないといいなぁ……」


星「や、流血沙汰はまずいわ。行き過ぎた報復は裁判で逆に不利になるもの」

恋「それ以前の話だって気づきましょ…?」

陽「む。それもそうですね。証拠を残してしまえば関係を持ってる人間がまっさきに疑われてしまう。それではなんの復讐にもなりません」

恋「怖いなぁ…恋愛って怖いんだなぁ…」


星「そこで痣が残らない力加減でボコるのが最適じゃないかしら」

恋「ひぇっ」

陽「専門的な技術と知識は身につけるのに時間がかかってしまいますから、難しいですね…」


恋「あのー…ちゃんと話し合って、関係を続けるかどうするかって話し合うのが一番いいと私は思うんですけど……」

陽菜「愛を裏切られたんですよ!?続ける選択肢なんてはじめからないんですよ!!あるのはリベンジ&バイオレンス!!そうなのだ!許してはいけないのだ!!」

恋「この発言、未来の……いや、やめておこう……」


星「大体女の方も悪いわね。浮気するような相手を選んだ時点で見る目がなかったっていうか。甘いのよ。手頃な相手で妥協した結果ね」

陽「あ、いえ女じゃないですよ」

星「え?彼氏彼女じゃないの?」

陽「彼氏彼氏の話です」

星「……………」

陽「もっというと彼氏と彼氏と間男の話です」

星「――――」

恋「星川さんが宇宙に放り出された猫みたいな顔してる……」



恋「その後、星川さんがフリーズしてしまったためこのお話は終わりになったが、件の彼がどうなったかは……私にはわかりません……」

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