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その一方で、とあるゲーム会社。そこでは様々なARゲームが開発されている。
その規模は中堅レベルではあるものの、草加市への貢献では比較的に高い。新規参戦組では太刀打ちできないレベルと言ってもいいだろう。
「ヴァーチャルアイドルニュープロジェクトか――」
プロジェクトの企画内容を見て、ある物と似ていると考えていた人物がいる。その人物こそ、
瀬川と同じく――あのプロジェクトを見て、ふと考えていた人物――そのもう一人該当するのが、ビスマルクである。
ビスマルクがいる場所、そこは瀬川プロデューサーの勤めているゲームメーカーだ。
残念ながら、瀬川とは接触できず――日を改める事になる。アポなしではないのに加え、用件は向こうに伝えているのだが。
「着信音? 何処から――」
入口を出て、オケアノス近くのコンビニまで歩いた所で着信音が鳴りだす。この場合の着信音は無線っぽい音で、周囲にはあまり気付かれていない。下手に着信メロディ等では目立つかもしれないが。
『そこに人はいないな?』
「自分以外に数人いるけど、こちらは向いていない」
『まぁ、いい。これは聞かれたくない話題だからな』
「あなたは一体――?」
明らかにノイズ交じりの声に、ボイスチェンジャーを使っている形跡さえある。ここまでの事をしている人物に対し、ビスマルクが無警戒なわけはない。
向こうが使っているのは通話アプリのようだが、顔が見えるようなカメラ機能は付いていなかった。
『君のファンだよ』
「何の冗談? 別ゲームの話題を持ち出すなら、この話は――」
『不謹慎厨とSNS炎上勢力、聞き覚えはないか?』
「そのタイトルは――何処で知ったの?」
『その慌てぶり、内容の方を知っているようだな』
「あの内容は、どう考えても――」
『WEB小説上で言及される○○系、それを含めた様々なマジックワード――不思議に思わなかったのか?』
「フィクションの話題をリアルに持ち込むべきではない。そう言う認識だけど、あの内容は」
『彼らは炎上させる事が目的と思われていたが、むやみに炎上させている訳ではない』
「それは分かっている。特定の広告会社が関与している事も」
『しかし、炎上勢力の正体が単純に一次創作が出来ずに炎上系二次創作でバズり狙い――』
「そう言う表現で言われると、こちらも腹が立つわね。言いたい事は分かるけど」
『そう言う勢力なのだ。彼らは金で雇われたにすぎない。超有名アイドルの稼いだ金で――』
謎の人物の正体、ビスマルクはそれが神の声とか原作者とか――そうした次元で片付けるには、さすがに無理があると考えた。
何故、このタイミングで接触してきたのか? ビスマルクは何かを思い出そうとしていた。
「超有名アイドル勢力、それは既に別所で壊滅した存在と認識しているわ」
『そうだ。君たちの見た深層WEBの正体、それに疑問を持たなかったのか?』
「何が言いたいの? あなた、まさか――」
『その通りだ。君が想像している人物、そう思ってもいい』
明らかに口調は若干異なるだろうが、あの時のアルストロメリアの事例もある。それを踏まえ、彼女がもしかするとガーディアンとは別のデンドロビウムと考えた。
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