10-2

 炎上勢力は完全に根絶され、今度こそ――という状況下で変化が起きたのは、ブローディアの正体が判明してからである。


 草加市内でSNS炎上勢力と戦っていたブローディアだったが、その戦闘の途中でブローディアに突如としてノイズが走った。


「何だ?」


「これはチャンスではないのか――」


 炎上勢力のメンバーは、このチャンスを逃す訳がなかったのである。ブローディアの動きが止まった事で、炎上勢力は更に攻撃を仕掛けていく。


「炎上勢力は、そのままフェードアウトしてもらわないと」


 指を鳴らす音と共に姿を見せたのは、何と魔法少女だったのである。一回鳴らしただけで周囲の炎上勢力は瞬時に気絶――文字通りのフェードアウトだった。


 その後、ガーディアンが駆けつけ、残党もあっさり片付いた。ようやく『SNS炎上、駄目ゼッタイ!!』のテーマを引きずっていたのも――??



 駆けつけた人物の正体、それはあいね=シルフィードだった。ブローディアの方は駆けつけた人物があいねだった事に、おおよそ察していたようだが。


「あなたが駆けつけたのは予想外だった。WEB小説だとデンドロビウムが駆けつけていたみたいだけど」


 ブローディアのノイズが消滅すると、そこから姿を見せたのは普段着にメガネと言う女性だった。まるで自分の姿を見ている様なあいねだったが、そこは――。


「デンドロビウム? 聞いた事がないような、聞いた事あるような――」


 あいねは目の前の人物が言及したデンドロビウムと言う単語に対し、何かの違和感があった。


 自分には聞き覚えのない名前なのだが、何処かのまとめサイトで見たような単語なのは間違いない。果たして、どのタイミングで目撃していたのか――。



 ブローディアの正体、それは何とユキムラだったのである。何故に彼女が――と言うと話は長くなるだろう。詳細はブローディア編辺りが出来た時にでも触れられるかもしれない。


【この記述、明らかに何かが変わっている】


【まるで何者かの二次創作のように――】


【一体、どういう事なんだ?】


【これでは夢小説ではないのか】


【これが、本当にニューリズムゲームエピソードなのか?】


【まるで、別の版権作品を上げる為だけに作られた――】


 そこから先の記述を見た読者も、この内容の変化には驚きを隠せない。この作品が最初から別の版権作品を贔屓ひいきにするような内容に変化している事に。


 誰を贔屓にしているのかは特定できていないが、どう考えても何かが引っかかるのは言うまでもないだろう。


【特定読者が増えない事に対しての打ち切りエンドに加え、他作品批判に走り出すか】


【これでは、まるである二次創作小説サイトのクロスオーバー作品の――】


 様々な書き込みも増えている中で、この作品はどのような展開を見せていくのか。


 果たして、この作品は『ヴァーチャルレインボーファンタジー』のセルフ二次創作なのか?


 そして、そこからはじき出される展開とは、どういう物なのか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る