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SNSの炎上勢力壊滅とは無関係な状態だったのは、この騒動を調べていない人物や関心を持たない人物が該当する。
過去に様々な事例で炎上してきたSNS上、炎上自体が当たり前のような対応をしている人物もいただろう。
それを『炎上は悪である』と明言した人物がいた。それが、あいね=シルフィード、アーシック・レコードの正体でもある。
あいね自身、過去に自分の作品の展開に対して様々な批判が集まっていた。それも、あいねが起こした行動が全てを狂わせた、とも。
そうした事もあり、あいねのキャラ批判を行ったり、それこそあいね厳しめ等の二次創作を行う者が後を絶たなかった。
最終的に、これが引き金となって『ヴァーチャルレインボーファンタジー』では、様々な炎上勢力を駆逐していく流れになったらしい。
真相は何処にあるのかは不明だが、SNSを探しても具体的なソースは見当たらなかった。
しかし、一連の事件が解決してもまとめサイトは増え続け、炎上勢力も再び姿を見せていた。だからこそ、ニューリズムゲームプロジェクトが炎上危機を迎えていたのだろう。
我々は「SNS炎上」を「核兵器」と例えたアーシックの言葉の意味を忘れてはいけない。
『世界が必要としているのは、核兵器の廃絶であると同時に――SNSの炎上を根絶する事だ』
『SNSの炎上は、核兵器と同じように修復するのに途方もない年月を必要とする事がある』
『だからこそ、我々はSNS炎上に核兵器所持と同じようなペナルティが付けられる前に――』
アーシックの動画からもメッセージは読みとれるのだが、途中で内容は途切れている。
言いたい事は分かるかもしれないが、何故にアーシックはSNS炎上を核兵器に例えたのか?
その正体があいねだと分かった事で、何となくだがその意味は理解出来た気がする。
(彼女は痛み、SNS炎上が何も生み出さないと知っていた。だからこそ――)
アーシックの動画を見ていたのはビスマルクだった。あの時の事件が彼女を変えたと言えるし、SNS上でこうした炎上行為及び誹謗中傷が続く事も分かっている。
それがやがて、個人で核兵器を保有するような世界に――という例えも、あながち間違っていないのだろう。
(これは本当にフィクションなの? まるで――)
一連の事件のWEB小説を発見し、その内容を見て驚くのはハットリ・シズだった。
彼女はオケアノスのエリア内で一連の動画を確認しており、その小説の内容には――あの事件を含めて、様々な出来事が細かく書かれていたのである。
(確かに、過去にはこう言う事もあった。そして、それを忘れて炎上させるような勢力やネガティブ思考はいらない――)
アーシックの発言も、彼女から見れば一種のネガティブに見えなくもないだろう。
しかし、シズの言うネガティブとはあくまでもSNS炎上勢力やまとめサイト、一部のバズりたい目的の炎上ユーザーである。
こうした個別の炎上行為が、やがては容易に争いを引き起こすことだってできる時代が来るだろう。
SNS炎上が『世界大戦』と例えられる世界、SNS炎上のアカウント消滅がデスゲーム的に扱われるWEB小説だってあるかもしれない。
(そうした世界がノンフィクションとして存在してはいけない――)
ガーディアンがご機嫌とりだけに無関係な勢力さえも魔女狩りしていたのを、彼女は知っている。
実際、その現場を目撃した事もあるからだ。そうしたガーディアンのやり方に嫌気がさして、彼女はガーディアンを離脱している。
「別の世界でSNS炎上が起きれば、この世界にもダイレクトに反映される。それこそが――アカシック・レコードで紐づけされた、この世界――」
シズは自分のいる世界が、実は別の世界である事を察していた。リアルでの事件をダイレクトに反映し、それがアカシック・レコードを通じて警告していく――。
一連の事件とは『ヴァーチャルレインボーファンタジー』だけではない。それこそ、別世界のデンドロビウムやビスマルク等が関与していた出来事だって、この世界ではWEB小説の作品として公開されていたのだから。
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