第6話:SNS、衝撃再び

 様々なゲーマーがニューリズムゲームプロジェクトに注目をし始めたのは、プロゲーマーが集まりだす前だった。


 SNS上でシュテン・ドウジの参戦が拡散したのが八月七日、それを踏まえると――そう言う事だろう。


 雪華せつかツバキがプレイを始めたのも、実は八月五日とも言われている。

詳細な日程は明らかではないのだが、


 SNS上で謎のディフェンスタイプ使いが話題になったのが五日だからと言うのだが。


【プロゲーマーが集まりだしたら、ややこしい事になる】


【? プロゲーマーを炎上に利用できると言うのに、どうして警戒するのか】


【草加市でプロゲーマーと言うワードには、別の意味がある】


【まとめサイトを運営するに当たって、当たり前のことだ】


【草加市のプロゲーマーは、ガーディアンと同義だ。むしろ、ファンタジー物のハンターと似たような物だ】


【それこそ意味が分からない。草加市のプロゲーマーは公認制度を取っている聞くのに】


 SNS上で、まとめサイトらしきやり取りがピックアップされたのは八月六日だった。


 シュテン・ドウジ参戦がずれていなければ、明らかにガーディアンの一斉摘発も確実な案件だったのである。何故に、このやり取りが切り取られる形で拡散したのかは定かではない。



 こうしたまとめサイトの話題は、過去にも何度かあった。それこそ、コンテンツ業界を揺るがすほどのレベルで。


【それに加えて、類似事例は先月にも起きたばかりで――また事件が起きるのか、という意見が多い】


【こうした意見を拡散する者は大抵がバズり目的だろう。ガーディアン勢力がSNS炎上の火種となる勢力を次々と摘発しているのはこのためだ】


【SNS炎上勢力やまとめサイト等と言ったような問題は――今こそ議論されるべき案件なのは間違いない】


【それでも、先月に起きたあの事件は規模が違っていた。それは、あるゲームをきっかけにして起きた物である】


【ゲームの名は『ヴァーチャルレインボーファンタジー』と言う。このゲームが起こした一連の事件は、SNSのこれからを占うような物だった】


 一連のまとめ記事を見ていたのは、天狗のキャラクターの外見をしたアーシック・レコードだった。


 何故にチェックしているのかは定かではない。ライバルサイトの記事の内容を気にする物だろうか?


 しかし、アーシックが気にしている理由は検索ワードを絞り込んだ結果、このまとめが引っかかった事による。


(未だに、こうした低レベルなまとめが拡散し続けるのか。まるで、まとめサイトビジネスがテンプレの闇バイトとして残っている証拠――)


 アーシックは、過去にこうしたサイトを見てきたかのような疑問をぶつける。闇バイトでまとめサイトやSNS炎上等がある事が判明したのは、一連の事件が起こる前と言われていた。


 一連のカバーストーリーで事件を隠すような事例も――未だに残っているかもしれない。


(あの事件を受け入れられない者が、カバーストーリーで隠そうとする。まるで、公式の結末に納得できないファンが二次創作を生み出し、それを公式として記憶を偽装するように)


 アーシックがまとめサイトを見る目は、まるで自分が一連の事件に関与していたかのような――。


 しかし、そうした私情は挟まない。アーシックは鋼メンタルであり、こうしたフェイクニュースにも強くなっていた。


 過去に――この人物が受けたSNS炎上や類似する案件、二次創作は桁が違っていたのである。

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