3-2
二曲目序盤は、先ほどのようなスタートでいきなり苦戦するような事はなかった。フウマも先ほどと同じ事はしないだろう。それに加えて、得意な楽曲と言う事もあって――ここで大差をつけようと言うのもあるかもしれない。
「こちらとしては、先ほどのミスは繰り返したくない」
ハンドコンピュータを扱う手は若干震えているのだが、それでも大きな影響はない。
それでもスコアに若干不安があるのは事実で、そうしたプレッシャーが手に反映されているのだろう。
(仮にパーフェクトではなくても、向こう次第では何とかなる)
全てのノートをパーフェクト判定で演奏すればパーフェクトボーナスもあるのだが、既に数個の判定がグッド判定だ。
こうなってくると、次に狙うべきはミス判定なしでクリアすることが条件のフルコンボ。現状ではミスが出やすい地帯ではないので、ここを上手くフォロー出来ればどうとでもなるだろう。
一方で
フルコンボが起点となるボーナスは望めないが、このリズムゲームではコンボ以外でもボーナスを望める要素があった。
それは――アクションボーナスである。普通に演奏するのとは違うアクションを取る事で、ボーナスが得られるシステムで他のゲームにはないだろう。
あったとしても、それはいわゆるアドリブアクションであってスコアが関係する要素ではない。
(そう言えば、チュートリアルでも何か言っていたような――)
ツバキが思い出したのは、チュートリアルモードでの解説の一つで――。
【アドリブアクションを取る事で、コンボボーナス以上のスコアを出す事が出来ます】
【アドリブはコントローラの右にあるアドリブをタッチする事で可能ですが、演奏中に使える回数が限られています】
【各アーマーで3回となっていますが、ディフェンスのみは基本的に5回使えます】
【ですが、アドリブは一種のもろ刃の剣です。タイミングを外すとリズムゲージは大幅に減少しますのでご注意を】
アドリブのアクションは様々あってオプションで選択も可能だが、ツバキの場合は設定できないようになっていた。
レベルも1だったので仕方がないと言ったところか。それでも、逆転のチャンスがあるのであれば――それに賭けてみたい。
ツバキが覚悟を決めてアドリブをタッチすると、そこには二つのアクションが表示されていた。両方とも難易度としては3に該当する。
(どちらも危険と言う訳ではないけど、やってみる価値はありそうかな)
彼女がタッチしたのは左のアクションで、ハイスピードと記載されていた。
【ハイスピード:現在プレイ中の楽曲スピードが2倍になります。使用中はスコアの倍率が最大10倍まで上昇】
センターモニターにはツバキが何のアクションを使ったのかまで表示されている。その表示を見て驚く者もいるが、それ以上に驚いたのは――シュテン・ドウジの方だった。
(スコアの倍率変化――? 他のリズムゲームでも事例はあるけど、どういう仕組みなのかな)
様々なリズムゲームをプレイしてきた彼女でも、さすがにこれはどうなのだろう――という疑問はある。
スコアがどういう仕組みなのかは全く把握していないので、最大10倍と言う額面だけで把握しているようだが。
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