第26話【焔そして再戦】
ヨルナミとワタがリハビリを初めてから1週間ぐらいが経っていた
何とか2人は不自由が無いほどの生活を送れる程には回復している
ワタは今までよりも速く剣を振れるようになり、ヨルナミは幸の成果もあってなのか今まで通り走る事が、できるようになってきていた
岩本さんはご飯を食べるのと寝る以外は本棚のある部屋に籠りきりでまだ出てきそうにない感じがする
とりあえずギターを弾こう。そう思いギターを取り出してみると幸は初めて見るものでとても興味を示していた
「これって何? 」とヨルナミからしたらもう聞きなれたと言わんばかりの反応が帰ってくる
「これは……ギターだよ。こうやって弾くんだ」といいヨルナミはギターを弾き始めた
色々と作り上げてきた物を観せる
「かっこいい……」
少し小声で幸は呟く
ヨルナミは少し聞き取れなかったのか「もう1回言って?」という
幸は恥ずかしくなり顔を赤らめて「なっ……なんでもない」と言い返した
やっぱりツンデレなのかな……
分からないけど、まぁいいか
2人がやり取りをしていると岩本がやって来た
「焔の話をするから、ワタも呼んできてくれ」と言われ、幸はワタを呼びに行った
ワタがやってくると岩本は話始めた
焔というのは世界の中心にある概念。世界人口の3割未満しか使えないという力だ
焔の力はそれぞれの精神力で大きさが左右されてワタ程強くないと髪の色や目の色は変わらないという
色んな色があり、赤や青、黄色などそれぞれだ
赤が1番強くてその次に青系、黄色系らしい
中には白もいてとにかく珍しい事例だから詳しくは解明されてない
ヨルナミの持ってる剣のように特殊な金属に宿せば使う人がほとんどで本当に特殊らしい
焔を使うと寿命が1年縮むらしく体に宿すとなると激しいだろう
「軽くだがこんな感じだ。それと自分の世界に入ってその人に合った力を宿す事が出来る人がいる。でも焔と同時に使う事は出来ないらしいぞ。焔を使える人の周りには必ず1人は引かれ合い、居るそうだ」
岩本さんが言うことに対し、少し疑問を持ったヨルナミは「僕……焔と一緒に自分の世界入れますよ……」
予想外の事に驚く岩本
「そうやユナミちゃんも……」
岩本はまた考え始めた
「親子だな……ヨルナミとユナミちゃん」
岩本はそういい笑う
「ヨルナミの世界を見させてもらおうかな」
岩本の思い付きでヨルナミは自分の世界に入らさせそうになるがピンチの時にしか入れなく、そもそも詳しい入り方が分かっていなかった
ただ、ギターを弾き始めると周りが見えなくなるのを思いつきギターを弾き始めたる
ギターを弾き倒した後、岩本は何かを納得した様子で拍手をする
「明日城に乗り込めば良い。小生が入る時の力になろう」といきなり言い始めた
でも、よく考えてみるとここに来てもう1週間以上は経っていた
親に真相を更に聞きたいしとりあえず話したいとずっと話していたから
この人が何を考えているか分からないけど伊吹さんが信じた人だ。きっといい事を考えているに違いない
そう考えた2人は話に乗ることにするのだった
岩本曰く王子を殺害したのをきっかけに城の警備がとても強くなったらしく簡単には入れなくなってしまったらしく岩本が少し思い出したのか昔ユナミが城を抜け出す時に使っていた穴が今も残っておりそっからこっそり入ることが出来るかもしれないとのこと
そこからユナミの部屋に入ることが出来るはずなのだが今どうなっているかは分からなくてそこが1番の難点だ
変わってないのが好都合だが流石に17年も開けているはずは無いから入るには必ずそこを通らないと行けない
一か八かでとりあえず乗り込もう
1週間とりあえず体の様子を見ながら作戦を立てた
そして遂に当日が来た
とりあえず作戦通りに穴の所に行くと何故か空いている
岩本もここに来るのは久々だったので空いてるか不安だったという
幸は武器職人ということもあり2人にある程度攻撃を防げる軽い防具を渡していた
「ここからか……とりあえず頑張ろう! 相棒」
「ああ! 行こうワタ! 」
2人は穴に入る
思っていた以上に深くタトイヒ国の城に潜入した時よりも凄かった
進んでいるとロウソクの光が見える
その光に向かって歩き、隙間からこっそり覗くとつい最近あの王子を殺した部屋につながっている
その目の前には鐘もありこっから潜入出来るのだなと思い、穴を広げようと触ってみたら
何故か素材は軽く地球の物質じゃないような感じがしてさりげなく人が入れるほどの穴が出来た
「とりあえずここから入ろう」
ワタと一緒にこっそりと部屋に入ってみた
ドアは蹴破った後がまだ残っていて王子が死んでから全くいじられていないということか
ここは元々母さんの部屋だった所……
あの国王は何を考えているんだろうか
更に謎が深まるばかりだった
聞ければいいかな……多分聞けないけど……
そんな事を考えながら走っていると王室の前だと思われる部屋に着く
恐る恐るドアを開けてみると大量に時計が飾られていた
最新型と思われる機械式の時計や巻時計、砂時計もありとあらゆる所に飾られていた
周りを見渡しているといきなり部屋が暗くなってくる
そう思っていたが部屋全体ではない。世界が真っ暗になっていた
周りが見えない
けどとりあえず何が来てもいいように剣を2人は引き抜く
「ワタ、僕の声は聞こえるか? 」
「ああ、聞こえる。とりあえず周りは細心の注意を払え」
「分かってるよ、相棒」
2人は剣を構え互いの背中を預けながら真っ暗な暗闇を彷徨っていた
いきなりひとつの光が灯り2人の方に向かってきた
「何者だ! 」
ワタは鋭く反応し構える
「予はルーヴィヒ・アクアリーフ。この国の王なり。貴様らは……ああ生きてたのか」
ルーヴィヒは灯りを投げる。すると部屋は明るくなり暗闇と時計の空間に居た
時計が宙を舞い、延々と続く暗闇に消えては現れを繰り返していた
「ここは与の世界なり。この世界でもがき苦しみ死ぬがいい」
ルーヴィヒは鎌を異空間から取り出し2人に構え、「ほぅ……その義手と義足素晴らしいものだ。更に必要な体にしてやるよ! 」といい斬りに掛かってくる
2人は攻撃を避けて剣に焔を宿す
「貴様らは焔も使えるのか。褒めて使わそう」
「褒められる意義なんてない! ルーヴィヒ。お前の目的はなんだ! 」
「予の目的は焔を使える人間のみが生きる世界を作る事だ。選ばれし人間のみが生きる! この国は適性は少なかったからな! 」
自分の目的の為に普通の人も巻き込む……
こんな奴は王になったらダメだ……
とりあえず、攻撃を仕掛けよう……
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