第25話【岩本】
岩本さんの家に向かって4人は歩いていた
森はどんどん深くなっていく
伊吹さんといい、この辺の人らは森の奥に住みがちなのかな……
こっちの方が確かに安全だし分からないや
家はとても大きく本当にひとりで住んでいるのかなって思う程圧巻された
とりあえず岩本さんが部屋に案内してくれた
。3人の場所を言うとすぐに岩本さんは案内したあと自室に帰る
その間幸はヨルナミをベットに下ろし、ベットに2人座り、ワタは近くにある椅子に座った
岩本が3人の部屋に帰ってくるとヨルナミの足を測り始めた
それを紙に移し次にワタの腕を測り始めた
2人の計測が終わると持って来た木材を取り出した
「とりあえずこれである程度の形は作るから、その間小生と伊吹の話をしようか。」岩本は少し思い出しながら話し始めた
あれは今から40年ぐらい前だった
世界は少し平和で綺麗だった
その時に小生はある男の子と出会った
それがある意味運命の出会いだったのかなって思う
その時小生達は5歳で幼なじみみたいな関係だった
2人はタトイヒ国出身だそうなので伊吹は16になると徴兵に行ってしまった
伊吹は兵士として鍛え上げられ、岩本はもし体の1部を失っても保険が効くように義足や義手の職人に弟子入りをした
職人がアクアヒルス国にしか居なかった為、岩本はアクアヒルス国の職人に弟子入りを申しでた
2人は別々になったが長期の休みの日とかになると伊吹がアクアヒルス国に現れ、共に遊んだという
その間に岩本の友人でヨルナミの母のユナミもいたそうだ
そんなある日、伊吹が岩本に告白をした
そして、2人は付き合うことになりそのままずっとの付き合いだそうだ
ある日突然伊吹は兵士を辞めた
その理由を聞くと国王がどうのこうのと言うだけで教えてくれなかった
その後剣士を育てるようになりたまたま遊びに行った時も弟子にバレないようにこっそりと話してたそうだ
そんなある日伊吹に結婚をしようと申し立てられ、剣士を育てるのもやめるって話だった
それが君たちだった
もうすぐ結婚かなって思ってたのに、あの人は小生を残して旅立ってしまったんだよ。死因は燃死と伝えられたよ
死体も残ってなくてはっきりとしてなかった
その事があって1人になったんだけどそこで幸ちゃんと出会った
最初、クラデールに絡まれていた所を2人と同じように助け仲良くなった
岩本が守ったおかげなのかしばらくは現れなかったがつい先日見つかり絡まれている所を2人に助けてもらい、義手と義足が必要になり今に至る
「まあそんな感じだ。君たちは小生の旦那の最期を知ってるか?」
岩本は少し死因について気になっていたそうで2人なら知ってるかもしれないと思い聞いてきた
「えっと……」
2人は一連の事を話した
伊吹の最期を知り、納得した岩本
「彼らしい最期だったね……」
気が付くと岩本の頬には一欠片の涙が流れていた
涙に気付いた岩本は慌てて涙を拭き取り、「ありがとう」と言った
話す事に夢中をしていて手が止まっていた岩本は慌てて作り始めた
脚や手の形になった木材を2人のところに着けてみる
するとしっかりと入り特に動いても支障は無かった
「ワタのは……」といい、岩本は何かを呟き出した
なんだと思って見ていると呟くのが終わると一瞬ワタの義手が海色に染まりその後に「手を動かしてみろ」といった
ワタは恐る恐る動かしてみるとかつてのように腕が動いていた
「これって……なんですか? 」
ワタは少し気になり聞いてみる
すると岩本は「これは焔だ」という
焔は体に纏ったり剣に宿したりするだけだと思っていたふたりは驚く
「ヨルナミ、ずっと気になってたんだけどこの剣は……」
焔の話をしていると岩本はヨルナミの剣のことで少し気づく
「この剣は……伊吹さんから貰った剣です……。伊吹さんの形見みたいなもんですかね」と少し微笑みながら答えた
「この剣は……小生があの人の為に作った剣です。兵士を引退した時に跡継ぎに持たせると言ってましたが貴方が持っていると……つまりあなたは焔を宿せるということですか?」
「剣になら……宿せますけど……体には宿せません。ワタなら……体にも宿せます」
ヨルナミは焔の事を全て話した
「そういう事か。体に宿せるってのは初めて知ったな。そういう可能性があるのか……」
岩本は深く考えていた
「あっヨルナミはとりあえず歩いて。幸ちゃん、手でも持ってあげて」
そういい、何かを思い出したのか本棚の方に向かっていった
幸はそれを知り少し微笑んでいた
「幸、なんでそんなに笑ってるの? 顔にめっちゃ出てるよ? 」
とさりげなく聞いてみる
すると幸は顔を赤らめて
「べっ別にあんたの手を持つのが嬉しいとか……そんなんじゃないからね! 」
「え? んじゃ嫌? 」
「いや……いいけど……」
なんだろう……とても可愛い。そう思ってしまった
とりあえず幸に体をまた預けて歩く練習をしよう
足が膝の関節より下が無くなったからとりあえず自由は効くけど……でも今までと違ってとっても歩きにくい……
オマケに片方見えなくなってるし……
「そういやあんた、片目失ったならこれ付けなさいよ。片方だけ閉じてるのは……なんかかっこ悪いから……」
そう言われ眼帯を渡された
黒くとてもシンプルでいい感じだった
ワタはその頃義手を使って素振りの練習をしていたのだった
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