第12話【作戦】
お昼時だった
4人は同じ部屋に集まり、お城を乗っ取ろうと言う話をした
「どうやってはいるんだ? 」とキロルが聞く
が、どうもいい案が思い浮かばない
「そうだ! 兵士を捕まえて拷問するなんてどうだ? 」
「いいな、それ」
ワタが余りにも吹き飛んだ話をした上、キロルが便乗したのがヨルナミには面白く思えたのか飲んでいた水を吹き出し少し笑いながら「やめとけ腹黒コンビ」とつっこみを入れるのだった
その後、ワタは少し真剣な表情になりこう言った
「お姉ちゃん、俺の部屋っていじられてないよね?」といきなり自分の部屋のことを聞くワタ
「んー? してないよー! 」とライチが言ったので、少し安心したのかワタは何故、このことを思いついたか話し始める
「俺の部屋にな、でっかい大きな絵が飾ってあるんだ。そこの裏に人ひとりが通れるぐらいの通路があってその先は外に繋がっているんだわ。部屋がいじっていないなら好都合だしとりあえずそこ見てみよう」
こうして潜入ルートは決まったが、いつ決行かは悩んだ
悩んだ末にキロルの提案で満月の日にしてみないかという話になった
確かに夜ならバレずに潜入出来るから3人は納得する
それなら夜いつでもいいんじゃないのかなって思ったがキロルはそこがどうしてもいいと言う
「キロルが言うのだったら……なんか考えがあるかも……」
とヨルナミは2人を説得した
2人とも「ヨルナミが言うなら……」ってなったので作戦決行はその日にすることにした
今から12日後の夜。ワタの使っていた穴から潜入
そして、国王を倒す
国の混乱を防ぐ為に国王は病死したと公表
ワタは敵に捕まっていた故にこのような発表をしたと公表する
これが国を乗っ取るための作戦なのだ
ここから決行までのことを日記に書こうと思う
これはヨルナミの日記
実は、伊吹さんの所に居た時からずっと書いてたから、この日記を読見返せば忘れそうになっても忘れないと思うから
決行まで後11日
今日はワタと組手の練習をした
兵士は組手に弱いと聞いたからだ
2人はほぼ同じ力だったので動かなかったが、キロルは簡単に吹き飛ばされてしまった
決行まで10日
とにかくギターを弾いた
ギターを触るのは久々だったが何とか弾けた
キロルは僕がギターを弾いている所を見ると何かを思いつき、部屋に帰っていった
決行まで9日
キロルが僕のギターを見て詩を描いてきた
その詩はとても良かったので曲を付けてみようと思った
いい曲が出来そうだ
決行まで8日
作曲の息抜きに素振りをしてみた
しばらくしていなかったのに、とてもスピードが速くなっていた
ワタは少し驚いて物凄く振っていた
決行まで7日
やっと作っていた曲が出来た
出来はすごく良いものになっただろう
キロルを呼んで聞かせてみるととても驚き、感動をしていた
忘れないように歌詞も描いておこう
絆歌
あの時境に仲が悪くなったんだ
お前が家を飛び出して
わいは部屋にこもってしまう
わいはどうすることも出来なかった
怖くて恐くて恐ろしかった
もうわいは1人にはなりたくなかったのに
何も出来なくて1人になってしまった
あの時俺は言い過ぎたんだ
お前の気持ちはお構い無しに
自分は前しか観てなかった
世界を変えたいというだけの
あの日走り去るお前を見て
部屋に帰るお前を見て
また1人になってしまった
孤独をまた知ってしまった
あの時僕は怒りすぎた
君が僕の事を思って言ったのに
後ろしか観てなかったんだ
あの日出ていって少し辛かった
また独りぼっちになっちゃった
誰も知らない時みたいに
似てた者同士の3人は
今日も明日も明後日も
永遠に続く
この限りなく大きい空のように
あの日君が帰ってきていた
とても嬉しかった
君たちの笑顔がまた見れるから
わいは1人じゃない
君たちがいるから
あの日君を見つけたんだ
死んだかと思って心配していた
とても嬉しかった
また一緒に話せるから
俺は1人じゃない
相棒と仲間と居るから
あの日僕は夢を見た
絆は無駄だということを
とても悔しかった
それでも必死に戦った
僕は1人じゃない
君たちが居てくれるから
とても嬉しかったから
似た者同士の3人は
今日も明日も明後日も
永遠に続く
絆という音を奏でるのだろう
そして凄く微笑んでいた
決行まで6日
この日からキロルが教会にいる時間帯が少なくなってきいてる気がした
教祖は忙しいのかな……と思った
決行まで5日
この日は久々に4人が一時的に居た
ワタとライチは炎の練習、キロルは昼間まで何故か不在、僕は素振りの練習をしていて最近は揃わなかったからだ
ライチの提案で写真を撮ることにした
写真といっても太陽光で写した影を描いてそっから絵描きさんが僕らの顔を書くという感じだ
出来上がったものは無くさないようにワタに渡しておこう
決行まで4日
この日は朝からキロルの姿が見えなかった
それでも日が暮れる前には帰ってくるかなって思う
しかし、キロルは帰ってこなかった
決行まで3日
キロルはこの日も帰って来なかった
行方不明になっていた
信者も何処にいるか知らないらしい
とにかく心配になる。明日帰ってこなかったらどうしようという不安もあった
決行まで2日
流石に心配したワタはキロルを探しに行った僕も探しに行こうと思ったけど2人で行動するのは危険だと判断し、ワタだけで探しに行った
ワタは1日中探したけど、見つからなかった
決行まで1日
キロルから手紙が届いた
そこには裏切ったという文章だけだった
どうしてだろうと思いながらも現実を受け止めないと行けないと言う悲しみが人を襲った
どうしてだろう…分からない……でも、前に進むしかないと思い決行を決めた
決行日
三人で服装を黒く染め、お城に向かった
「キロル……」
「あんなクソ野郎の事は忘れろ。クソ親父と一緒に殺すから」
「とりあえず、穴ってどこ?」
ライチとヨルナミは穴を探していた
するとワタは大きな岩を指さして「ここだ」と言った
何も変哲もない穴だったがワタが触ると思いっきり動かして本当に人がひとり入れるような穴が現れる
凄いなと思いながら入ってみた
とても暗かったが前に進んでいる感覚はあった
進んでいると少し大きな広間に出た
その近くには階段もあった
ここから出るんだなと思い、上がってみると本当に部屋に繋がっていた
その部屋は長年放置されていたのか、とてつもなく異臭がした
蜘蛛の巣も張り巡らされていてホコリも酷かった
「ここを開ければ……」といい、ワタは扉を開けたのだった
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