第53話 チンコにまつわる話【ザビ・トモ・ベッキー】
小島には小中高校と一緒の学校だったザビという同級生がいる。
「ザビ」は、もちろんあだ名で、教科書に載っていたフランシスコ・ザビエルの写真とそっくりだったので、みんなからそう呼ばれるようになった。
小島は、そんなザビと仲がいい時期もあれば悪い時期もあった。
「鼻がデカイ=チンコデカイ」という説が昔からあるけれど、小島が中学生の時にその話しで盛り上がったことがある。
同級生の中で、その説の検証にうってつけの人物がザビだった。
ザビを呼んで、小島が「今、鼻がデカイ奴はチンコもデカイ説を検証してるんだけどチンコ見せてみ」と言うと、もちろんザビは「嫌だよ!」と断った。
「じゃあ、俺のも見せるから」と、トモが何の迷いもなく自分のチンコを見せた。
「その小ささでよく躊躇なく見せられるもんだ」と小島は感心した。
するとザビが「一瞬だけだで」と、なぜか見せる気になる。
そしてジャージと一緒にパンツも一気に下げた。
小島達は目を疑った。
金玉袋が異常なまでにデカかったのだ。
チンコが小さ目だったので袋がより大きく見えたのかもしれないけれど、みんなで爆笑したので気を悪くしたザビと少し仲が悪くなった。
けれど中学3年生になって部活を引退してからは暗くなるまでスケボーで遊んだりした。
ちなみにスケボーで遊んでいる時に小島は初めてアナルを人に見られる経験をする。
(詳しくは『居心地のいい家族の話』を参照ください)
高校の時に小島とザビは、お互いムカついて口を聞かなくなったこともある。
けれど1年くらい経って普通にまた話すようになった。
何があったかというと…
高校入学して間もない頃、ザビはマックでバイトをしている同級生のクーちゃんという女子に告白された。
告白されてすぐの時にザビは小島にこう言った。
「スゲーブスに告白された!」と。
それを聞いた小島は「え?断るん?ザビ彼女欲しいって言ってたじゃん?」と言うと、ザビは「いや~あれはないでしょ!?そもそもマックにはルミちゃん目当てで通っててさ…」と話していた。
なのに、しばらくしてからザビとクーちゃんは付き合う事になった。
クーちゃんは隣のクラスだと聞いたので、小島が一応顔の確認をしに行くと…かなり攻めたブスだった。
愛嬌のあるブスは好印象だけれど、世の中を恨んでます!的な目付きの悪さで、首が短いようで体からいきなり顔がはえているような体型だった。
小島は、お世辞でも可愛いとは言えなかったし、ザビ本人もブスだと言っていたので、バスで一緒になった時に「なんであのブスと付き合うことにしたん?」と聞いた。
するとザビは、小島の胸ぐらを掴みながら「人の彼女をブスとか言うな!」と言った。
ザビが小島と喧嘩して勝てるわけがない。
2人は長い付き合いなので、ザビもそれはわかっているはずだ。
なのにイキッて胸ぐらを掴んできたことに小島もムカついて「お前…誰相手に胸ぐら掴んでんだ!?死にてえのか?」と言った。
ザビは手をすぐに離したものの、それから2人は口を聞かなくなった。
クーちゃんと付き合ってから、噂で聞くザビの情報はろくなことがなかった。
頑張っていた陸上部を辞め、たばこや喧嘩で停学になったりしていた。
ザビは中学生の時、県大会に出場するくらい長距離走が得意で、小島はそれを応援していただけにみるみる落ちぶれて行くザビを見てただただ悲しんだ。
「それもこれもあのブスと付き合ったからだ!」と、小島はクーちゃんのことが大嫌いだった。
そんなことがあって2人は1年近く口を聞かなかったけれど、何があったわけでもなく、また普通に話すようになっていく。
正月に小島は、トモとベッキーと遊んでいて「ザビん家に遊びに行くか?」となった。
ちなみにベッキーとザビは、違う中学校だったけれど親戚だ。
4人でザビの部屋でしゃべっていると、ジュースを取りにザビが1階に降りて行った。
ベッキーはザビのベットでゴロゴロしていたのだけれど、ベットにある引き出しを勝手に開けて「何これ!?」と衝撃的な物を取り出した。
それは紙粘土で作られたチンコだった。
ご丁寧にニスまで塗られていた。
3人は見てはいけないものを見てしまった。
小島とトモは知っている。
ザビの金玉袋は、どん兵衛のフタみたいに大きいけれど、チンコが小さいことを…
ザビは、チンコが小さいことを気にしている…それでも彼女のクーちゃんを満足させたい!でもお金もないのでバイブを買うことが出来ない!だから紙粘土でバイブの代わりを作った…そんな物語を想像したら笑いが止まらなくなった。
特にニスを塗っている所がツボった。
ジュースを持って帰ってきたザビに、空気を読まない男ベッキーが「これクーちゃんに使ってるん?」とニヤニヤしながら紙粘土チンコをザビに見せた。
そのあとは親戚同士の殴りあいの喧嘩に発展し、小島とトモも巻き沿いでザビの家から追い出された。
「誰に言うなよ!言ったら殺すからな!!」とザビは言っていたけれど、冬休みが終わり、三学期が始まって早々にベッキーは同じクラスのクーちゃんに「紙粘土チンコ気持ちいいん?」と聞いていた。
そのあと親戚同士の殴りあいの喧嘩第2ラウンドが行われたのは言うまでもない。
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