第3話
そこで今まで口を閉じ見守っていた男が動いた
「俺は、鈴蘭のギルドマスター
ジン・ガネットだ
お前たちの力が人間の持てる容量を越えている事はわかった
人を消すのに躊躇がない事も、な?
おっと、別に危害を加えるつもりはない」
少しずつ距離を詰めるジンに、戦闘態勢に入る聡
「お前たちは裏ギルドに行ったほうがいい。
表では、多分お前たちは引き離され国の玩具にされるだろう。」
「その時は、この国ごと消してしまえばいい」
「それは、俺が困るんでな
それに、お前達の年齢じゃ保護者も居る
その感じじゃ、保護者もいないみたいだからな
まぁ、丁度俺の知り合いに裏ギルドを経営してる奴がいるんでな、そいつに保護者代理も頼むといい」
パチンッとジンが指をならすとフードを深く被った男が現れた
「あれ?
あ、ジン何の用?」
ジンは、今までの経緯を説明するとキラキラ目を輝かせて聡を見た
「僕は、レイ・ミリアスだよ
僕の子供になってくれないかい!?
僕は、裏ギルド経営してるから
そのぶん敵も多くて子供なんて諦めてたんだけど
君たちはとても強いみたいだからね
ね!どうかな!?」
聡は、結界を外し由紀に説明した
由紀は、じーっと二人を見つめると
「…いいよ」
そうボソッと言ってまた紗雪に抱きついた
「俺は、由紀の側にいれるならそれで良い」
「やったー!それじゃ決まり!
それじゃあ、行こうか!またね!ジン」
レイはそう言って、聡たちの手を掴み転移していった
目を開けるとそこには先程までとは違い
何もないただの黒の空間
「ここどこ?」
「うーんと、僕が作った空間なんだけど
寝るだけだし何も作ってないんだよねぇ
最初は家建てて其処に住んでたんだけど何回も襲撃されたからさぁ
面倒になって空間に住んでます、キリッ」
「聡!いくよ?」
「よし来た!」
片っ端から必要な家具を作り聡に投げて
聡が綺麗に配置していく
ーー…
「うぉー!凄いねぇ!」
真っ黒部屋にいくつかの家具と対面式のキッチン
部屋もいくつか作り、ネームプレートも付けてあった
「あっ!
一応義務教育だから学校通ってね!
話は僕が通しておくから~
おやすみー」
欠伸をしながら自分の名前が書かれている部屋に入っていく
「俺達も寝るか
紗雪、由紀運んでおいで」
紗雪はコクリと頷きいつの間にか眠りについた主人を起こさぬよう布団まで運んだ
「由紀、紗雪おやすみ」
チュッと額にキスをして
由紀を抱き締め聡も眠りについた
勇者に巻き込まれたカップル。 葉叶 @ht_25
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