第2話

「身分証明書をお出しください」


門の前まで着くと怪しい人を見るような顔をして

聡をジロジロ見る門番


端から見れば

100㌔越えの男がハァハァ言いながら

犬を抱く女の子と手を繋いで居る姿は異様な光景だった


「はい、これ

由紀も出して」


由紀に催促すれば

チラッと他の人の身分証明書を見て創造で作った


「通って良し」


前を見ずただわんこをジーッと見る由紀の手を引いて前に進む聡


(そんな見るなよ)


「由紀前見て歩いて

わんこもそんな見られたら困るでしょ?」


由紀は、少し考えてリュックサックを作ってそこにわんこを入れて背負った


「それにしても、こんなに人が多いと逸れそうだなぁ

由紀、おいで

ギルドまで抱っこしてくから」


ヒョイッと由紀を抱き上げスタスタ歩きギルドを目指した


「あー!やっと着いたーー!

あ、ありがとう、由紀」


作ったモフモフタオルで汗をドップリかいた聡の顔を拭いていた由紀は、お礼を言われてヘニャッと笑った


「なんか元気でた!

よしっ!登録してこようか!」


受付を進むと明らかに聡を見て嫌な顔をする受付


そんな視線に慣れているのか

特に気にせず登録の書類を貰い記入する聡


「由紀?俺は大丈夫だから早く書きな?」


ずっと受付の女の人を睨む由紀の頭を撫でてニコッと笑いペンを渡すと渋々書き始める由紀


昔から聡と居るとこの視線を浴びた事がある

確かに、見た目はダメかもしれないが

由紀からしたら聡は一番大切な人だ


大切な人を何も知らないのに

気持ち悪いと言わんばかりの顔で見られ

私と離そうとする周りがとてもとても嫌いだった


聡を傷つける者は排除したい


書きながら淡々とそんなことを考えていた


「これおねがいします」


由紀の分も紙を渡すと汚いものでも触るように紙を触って


「魔力測定の為奥へ」


心底嫌そうに中に案内した


わんこをリュックサックから出してギュッと抱いて怒りを我慢する由紀


「由紀先やる?

ん、ならさきやるね」


フルフル首を振った由紀を見て

説明された通り水晶に手を当てて魔力を込める

魔力の使い方は、神様のおかげで息をするように使える


水晶は、虹色に光り溶けて砂になり消滅した


これには、受付も驚きを隠せず口をあんぐり開けた

少ししてから、思考が戻ってきたのか慌てて走ってく受付


「私と聡の名前をとって、貴方は紗雪ね」


嬉しそうに二人の頬にスリスリする紗雪

紗雪に癒やされていると受付嬢が男を連れ戻ってきた。


「私には手に終えません!

どうにかしてください!

きっとイカサマしてるんですよ!!

じゃないと、あり得ないじゃないですか!!


こんな気持ち悪いデブが!私より魔力も属性もあるなんて!!!」


その言葉でプチンと何かが切れる音がした


由紀「おい、糞女もっぺん言ってみろ

気持ち悪いデブ?お前の方が気持ち悪いんだけど

中身の悪さがしみでてんだよ厚化粧が。

あれれー?化粧ひび割れおきてるけど?」


「こんのっ!クソガキ!!!

ウォーターウェーブ!」


どこからか、水の波が出てきて由紀を襲う


「何このかっすかすな魔法

とりあえず死んで懺悔でもしとけや


エンド…


何、聡」


呟いた魔法の詠唱を聞いて慌てて由紀を抱き締めて止める聡


「俺は大丈夫だから

由紀が居てくれたらそれで幸せなんだよ

俺の為に怒ってくれたんだよね?わかってるよ、ちゃんと。

でもね、こんな事で由紀の手を汚したらダメだよ

ほら、紗雪ちょっと大きくなって由紀といてあげて」


紗雪が大きくなり由紀を乗せて少し離れたのを確認してこちらの景色が見えないよう結界をはった


「『消滅』」


聡がそう呟いただけで受付の女は跡形もなく消えた


「由紀に害を与える奴は消えてしまえばいいんだよ」


冷めた目で受付が居た場所をを見ながら言った






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