第2話 午前三時の小さな魔法
四角いライトがつきました。午前三時の広い部屋。ライトで照らされた彼は眩しそうに顔をしかめ、ましたがとてもイケメンです。
「おはようございます」
「え!? もう…ってまだ三時かよ。まだまだ寝れるじゃん。なんで起こすんだよクークルー…おやすみ!はー寝よ寝よ」
寝返りをします。また四角いライトがつきます。
「この時間に起こすように設定したのはあなたですよ」
「間違えたんだよ、しつこいな。おやすみクークル!」
四角いライトが点滅しながら機械音で話します。
「では次のアラームをセットしてください」
「はいはい、おっけークークル~六時半に起こして。これでいいか?」
「ばっちりおっけー」
「夢でもみてんのかな、クークルーいつの間に擬人化したの?」
「どんな風に起こしますか?」
「絶対に起こせ」
「了解」
こんなことしてたら明日起きれない。そう思いながらも彼はそのまま一時間ほど寝つけず、朝方気絶するように寝入ってしまいました。
六時半、彼の横にいる少年は時刻を確認しました。四角い端末と同じサイズです。指を空でなぞると彼の体が浮き上がったのです。もちろん四角い端末にそんなことはできません。お腹の辺りが持ち上がって、つられるように手足が浮いて。目が覚めました。
「なんじゃこりゃ!!」
彼が寝起き一番、叫ぶと急に魔法の力は消えました。50センチほどの落下。下はお布団、痛くないです。少年の姿は彼には見えません。
「おはようございます」
声だけ。
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