第4話 午前三時の小さな防御
小さな彼の体を張った防御、力を入れてどけようとしたら
「いたいやめて」
そう言われてしまうとなにもできないよ。どうしてそんなことをするのか聞いた。
「どうして?わかってるでしょ」
「四角いのを使うなってこと?」
「違うよ、こうして使えなくなれば修理に持って運んでくれるかなって」
「外に行きたいの?」
「僕には必要ないけど、君には必要だよ」
私を外にだそうとしてるの?この小さいのは。
「なんで急にあんたまでそんなこと言い出すのよ」
あんたはファンタジーの妖精さんでしょ、現実的なこと言わないでよ。私の部屋の世界の住人さんでしょ。私は彼を攻撃しようとした。だけどやっぱりできない。小さくて繊細で、でも頭がよくて言うことを聞ける。そんな小さな優しくて強い彼を壊すなんてできない。正直彼がいなくなって困るのは私なのだ。
「修理屋ってあんたの家みたいなかんじ?」
「違うよ、誰かに出会うのを待つところ」
「そこに行ったら帰ってこないんじゃない?」
「僕が行きたい訳じゃないよ。僕は壊れてない、君が壊れてるだけだ。修理屋はきっかけになればと思っただけだよ。君の行きたいところに行けばいい」
だからどこでもいいんだよ。君と行けるならどこでもいい。彼はそうしゃべったきりすーっと姿を消した。四角いのは充電したらまた使えた。ただの電池切れに私はなに取り乱してたんだろう。真っ暗な画面に写る自分が嫌だった。嫌いだ。いたいやめて、私はここにいたい。
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