第2話 問

−《自分》のことを好きと胸を張り、誇りを持って言える人は一体どれだけの数いるのだろうか?


それは今まで歩いてきた道、成し遂げたこと、黒歴史、思い出してもクスッと笑えること、二度と思い出さないように心の南京錠で鍵をかけたこと‥


徐々に色濃くなっていく人生を振り返り、積み上げてきたもので形成された自身に問いたい。


私はまだ、の自分については、自信を持ち声を大にして「好き」とは言えない。

まだ見ぬ将来のことを考えると、期待と共に妙な焦燥感に駆られるからだ。


だが、自分は好きだと言える。

今まで、心躍るほどの良いことも、自分を見失うほどの悪いことも経験してきた。

-何かない限りは長い人生である。

その中で経験したのはまだ豆粒程だろうが‥

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