第3話クロード領にて
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スティンガー王国の暗部に属する俺は、クリフ殿下からの依頼を受けて急いでクロード領都にある領主館へと赴いた。
流石に直ぐには問題点がわかるとは思っていなかったが、どうやら他の同僚も別の方からの同じ依頼を受けていたらしく、領主の執務室で鉢合わせをしてしまった。
《おい、なんでお前がいるんだ?これは俺が受けた依頼だ》と小声で話すと
《それは俺のセリフだ。勝手にいじくらないで欲しいな》と言われてしまった。
《俺はこの旱魃についての依頼を受けて来ている》と言うと
《偶然だな。俺も陛下から依頼を受けて来ているんだ》おいおい依頼主を簡単に明かしてどうするんだ
《同じ目的ならばお互いこの部屋をくまなく探すのに時間がかからないな。急いで探すぞ》そう言って俺たちは執務室の中をくまなく探したが、なかなかそれらしい証拠が出てこない。森の消失や水源の汚染などいろいろ考えられるのだが、其れらしい売買契約書などが見つからなかった。
《何処かに隠し扉があるのかもしれない》と同僚が言うので、俺のスキルである【サーチ】を使うことにした。
このスキルは使い勝手が悪く、余計なものまで見えてしまう。ほら隠している宝石や税金をちょろまかしていた分の蓄えが地下の食糧庫にたくさんある。お、この部屋にも隠し扉が先代の肖像画の裏にあるぞ!!
《おい、罠がないか確認してくれ》そういって肖像画を指すと、
《大丈夫だ。あいつの魔力にしか反応しない作りだが、俺なら簡単に取り出せる》そう言って魔石を取り出すと周りに漂っているやつの魔力の残滓を使って簡単に解除してしまった。
《やはり、この旱魃は起こるにして起きたんだ。急いでこの館を出るぞ》
《そうだな、こちらは陛下から説明を受けるように依頼主に話すよ》
《わかったまた今度な》そう言って俺たちは思い思いに王都へと帰還の途についた。
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