第35話 翌朝

窓から朝日が差し込み、それで目が覚める。

ふあぁ~。大きなあくびが出た。


もう、朝か。

今日はあの夢は見なかった。

それは、隣に寝ている美少女のおかげだろう。

僕の手をずっと握りながら寝てくれたのだろう。

今も僕の手を握りってくれている。


「ありがとう。白崎さん。」


きっと、この声は白崎さんには聞こえていないだろう。


学校の用意をしようと、時計を見た。

時刻は7時45分。

高校は8時半までに入らないと遅刻になる。

いわゆる寝坊だ。

やばい。


「白崎さん!起きて!遅刻しちゃう!」

「ふにゃ~。もう少しだけ寝かせてください…。」

「寝かしてあげたいんだけど…。起きて!遅刻しちゃうから!」

「むにゃむにゃ…。」


目を擦りながら白崎さんが目を覚ました。


「高木さん。おはようございます。」

「おはよう。白崎さん急いで準備しないと遅刻しちゃう!!!」

「ふぇ!?やばいです!準備しないと!!」

「とりあえず、朝食はパンでいいよね?用意しておくから、白崎さんは用意しちゃって?」


朝からドタバタだぁ…。


数分後。

「高木しゃん。準備できましたぁ~。パン頂きますね?」


まだ眠いのだろう。

ちゃんと呂律がまわっていない。


「うん。僕は先に食べたから学校の用意してくるね?」


準備しやすいようにわざと順番を分けたのだ。

洗面所一つしかないしね?


「朝ごはん食べ終わったら学校行くよ?」

「今行きます!待ってください!」


急いで学校に行かないと。


「高木さん。今から出ても電車に乗るので間に合わないと思うのですが…」

「大丈夫。エントランスにタクシー呼んでおいたから。」


このタクシー登校があんなに大きな話題になることには、隼人は思いもしなかった…。

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