第30話 相談

僕はまたソファーに横になり目をつぶった。

すると、キッチンの方から音が聞こえる。

白崎さんが夕飯を作っている音だ。

料理をしつつ、間に使ったお皿を洗っているのだろう。

その音がまた、心地よく僕を眠りへと誘う…



「高木さん…。できましたよぉ~?」

「すぅ…すぅ…」


夕飯ができたのですが、高木さんが気持ちよく寝ています…

起こすのが可愛そうなくらい。

しかも!寝顔が凄くかわいいんです!!!

でも、起こさないとせっかく作ったのに無駄になってしまいます…


「高木さん。できましたよ…」

「うぅん…?あっ、白崎さん…」

「おうどんできましたよ?」

「ありがとう。ごめんね?寝ちゃってた。一緒に食べようか?」


白崎さんの料理を作ってる音が心地よくて寝てしまっていた…。


「今回は、カツオ出汁にしてみました。」

「うん。すごくおいしい。出汁がいい香りだね?」

「喜んでいただけたようでうれしいです。」


夕飯を後にし、高木さんから声をかけられた。


「高木さん…。何があったか聞いていいですか…?」

「…。うん。」


僕は、昨夜見た夢を話した。

あの日を夢の中で体験したこと。

今まで見なかったのに、今になってなんで夢で見たのか。

わからないけど、不安だったこと。


「やっぱり僕は大切な人を作っていけないんだ。」


「そんなこと言わないでください!私は、高木さんの前からいなくなったりしません!」


白崎さんが大きな声で言ってきた。

白崎さんを見ると今にも泣きそうな顔だった…。


僕の手を握りながら、


「それにきっと大丈夫です!高木さんのお父さんとお母さんは亡くなってしまったかもしれません。きっと、天国から高木さんのことを見守ってくれていると思いますよ?」


白崎さんのその一言で僕の心にあった何かが少し楽になった気がした。


「ありがとう。」


そういい、僕は白崎さんの手を握りなおした。

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