第6話 一緒の下校 前編

授業も終わり放課後…


終わった…疲れた…

明日は休みだ。ゆっくりしよう…


「翔、綾。今日はいろいろあって疲れたから先に帰るよ…」

「おう。気をつけてな!」

「隼人くんまたね!」


ダメだ。今日は本当に疲れた。

早く帰って横になろう。

そんなことを思っていると…


「高木さん!待ってください!」

(…今誰か読んだか?いや、気のせいだろう。今日は疲れた。とっとと帰るんだ。)

「高木さん!待ってくださいよぉ~」

後ろを向くと…そこには白崎さんが追いかけいた。


「高木さん…ひどいですよぉ…待ってくださいって言ってるのに…」

「ごめんなさい。白崎さん。自分が呼ばれてることに気が付かなかったものでぇ…」

「本当ですかぁ??逃げてるように思いましたけど…。まぁ、いいです。高木さんも帰るんですよね?私も帰るので一緒に帰りませんかぁ?」


鋭いところをついてくる白崎さん。

余計なことは言わないでおこう…


「いやいやいや。一緒に帰るってなんでですか!?」

「昨日のお礼と、朝のお話が途中だったので!ちょうどいいかなぁ〜と思いまして!」

「お礼なんていらないよ。大丈夫だから。」

「そんなわけには行きません!」

「じゃあ、朝の生徒手帳届けてくれたのでチャラで!」

「それとこれとは話が違います!」


そんなやり取りをしていると、生徒たちが集まり始めて来た。

「白崎さんが男と下校するってよ!」

「まじかよぉ…。それって今日の朝、噂になっていた男か?」

「それ知っている!白崎さんは『助けてもらった…』とか言ってたみたいだけど…実際は、あの男が白崎さんの弱みを握ってるからじゃないのか?」


隼人は適当なことを言われ放題だった…


「と、とりあえずここだと目立つから学校から出よう」

「はい。いいですよ。」


と、その場から逃れようとすると…


「きゃぁ~!真白ちゃんが男の子と下校してるぅ~」

「ついに、真白ちゃんも…」


みたいな、歓声があがったのだった…





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る