第3話 壮絶からの招待

ガラガラ...!

「チンピラとの闘いっぷりとその圧!見事であった。さぁ、招待を受けたまえ!」

顔面に包帯を巻いた雰囲気が安定しない男から半ば強制的に謎のチケットが渡された。

「えーっと…『此方はE県乱闘最強決定戦の招待状です。此方を示すとE県ゲートを通る事が出来ます。』それだけ?乱雑な字だし、支離滅裂だしこれもうわかんねぇな。」

質問が幾つもあった。が、彼の姿はもう既に無かった。

僕は絶句した。ルール説明とか何やらを省いた招待を受けてしまったのだ。

「うーん。こうなれば脳内会議スタート!」

脳内会議?少し疑問に思ったが、突然視界が暗転して目の前に今の自分に似た少年が座っていた。僕は身体が縮んだままだが、筋肉は少しある状態であった。

「あ、ここでは君の一人称は俺だよ?間違えないでね。」

いきなり訳の分からないことを話される。

「あの、ここは何処だ?」

ここは一旦オーソドックスな質問をぶつける。

「会議室に見立てた幻覚だよ?」

恐らくマイクロチップを介して幻覚を見せていると見た。それが分かれば、

「さっきの招待は本気だと思う?」

少しこの場ではマイナーかもしれない質問を投げる。

「本気だね。少なくとも僕は行くよ。騙されていたとしても。」

決意の目をしていた。俺はそれに押されて、賛同した。

「こっちからの質問だけど。君はあの男についてどう思った?」

答えによっては態度を変えそうだ。そんな期待の瞳が見える。ここで迷っては失望されてしまう。だから俺は迷わずに自分の考えをぶつける。

「本気でスカウトをしに来ている。と思ったが?」

「ふーん。根拠は?」

目の色が変わった。どうやらこここそはっきりさせるべき点のようだ。

「彼を見て思ったんだ、葛藤があるって。彼にはただならぬ絶望があったんだよ。僕と同じように希望で絶望を塗りつぶしてるんだよ。」

「ほう?なかなか面白いな。だが少し言わせてもらうぞ?」

雰囲気が一瞬ピリッとした。

「何故一人称を僕にした?」

圧が俺を押しつぶした。

「ま、いっか。今度から気をつけろよ?次やればペナルティは考えておかねばならん。」

「ってかさ、それ結局根拠じゃねぇじゃん。それはただの主観的要素。君はやっぱり脳筋なのかな?それとも…生粋の馬鹿とか!」

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