天使に願いを01

私『悪魔の奸計にまんまとはめられてしまった!』


 人の本心が見られる眼を手に入れた代償として、心の奥底の醜さを、まざまざと見せつけられ続けた私は、神経を病み、何もかもがすっかり厭になってしまった。


 ーーーそんな時、救いの使者が現れたのだ。


天使『貴方に、救いあれかし』


私『おお、天使! 助けてくれ!』


天使『望みを教えてくださいまし』


私『私はもう、醜い心など見たくないのだ! この地獄から救い出してくれ!!』


天使『承りました』


 言うや否や、天使は私の両目をえぐり取った。


私『ああ、ありがとう!!』


 感激に、私は咽んだ。


 天使こそ、なんの下心もなく、純粋に私を慮ってくれる、清らなる心を持つ存在だと、悪魔から授けられた能力が教えてくれたのだ。


 最後に網膜に焼きついたのが、美しいもので良かったと、私は幸福を噛み締めていた。

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