悪魔との契約04


私『艱難辛苦の末に、ようやく悪魔を呼び出す事に成功したぞ! おお、なんと怖ろしい顔貌であることか!』


悪魔『願いを叶えてやろう。ただし、お前の一番大切なものと引き換えに』


私『世の中、金が全てだ! 金さえあれば、世は事もなし、万事がうまくゆくのだ。

 私が望むのは、大金だ。大切なものは、他にないのだ。

 だから、金を掴んだのも束の間、金を消すなんてのは、ナシだからな!』



悪魔『人間も、少しはかしこくなるらしい。ようし、ここに契約は成立した』


 悪魔は気味の悪い笑みをその顔にはりつけると、おぼろに消えてしまった。だがどうやら、願いは成就したらしいことがわかる。

 視界を覆い尽くすほどの、金!金!金!


私『大金もちだ、やったぜ!!』


 喜びも束の間、紙幣価値暴落のニュースが、巷間に流れた。

 札束の山は、紙くず以下の価値になりさがった。


私『悪魔め!』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る