第20話 常闇の帳

なんだったんだ?今のは?恐らく僕やラーよりもはるかに凌ぐ力だ

「1年Eクラスの勝利だ。速やかに準決勝の準備をする様に。」

リズさんも気づいていないのか?



とはいえクラスは残る一人僕だけだ。

「リズさん、この大会は棄権します。」

「いいのか?まぁ、あれほどの大魔法を放ったのだからな。

しかし、お前があれほどの使い手とは。」

「本当は最後までやるつもりはなかったんですけど。」

「ふ、まあいい。それでは棄権だな。」

「お願いします。」


僕は医務室に来ていた

マリアは大丈夫そうだな。

「ラー、感じた?」

「うむ、我らでも勝てんな。昼を夜にするなど信じられん。

恐らく相反する力だな。」

「闇、いや夜の力ですか?」

「そうだろう。ところで何を話した?」

「2日後の夜に来いと。」

「行くしかないだろうな。」

「わかった。」

敵なのか?味方なのか?


「リク、こんな夜中にほんとに行くの?」

「そうだよ。」


「よく来てくれた。結城陸くん?」

「!?」

月に照らされた美しい少女。漆のような髪と目の持ち主だ。

「そんな構えないでよ。

初めまして、僕は伊邪那岐命より生まれし三神の一人

「月読命」だよ。」

「月読?歴史書では男神のはずだが?」

「まぁ、君たち人間は知らないだろうねぇ。

しかし、僕は天照大神と対をなし、闇を司る神様さ。

これでも偉いんだよ?」

「はあ、ところで僕に何か用がお有りでしょうか?」

「まあ、この世界にはあまりいられないからさ。

用件をいうね。伊邪那美命が目覚める。」

「!?」

「敵か味方かは今はまだわからない。

しかし、彼女は黄泉の国の主神だ。

君の前世に世界には降臨できないからね。

この世界に来ようって考えている。

君の力じゃ到底敵わない。母上は太陽や闇の力は使わないからね。

いついかなる時も君には強くいてもらはなきゃいけないんだ。」

「伊邪那美命がこちらの世界に?それはあなたのように一時的ですか?」

「いいや、母上はこの世界を掌握するだろうね。

でもこれは可能性の話だ。母上は須佐之男命と出会い、

今では本当の親子のようだ。」

「たしか、伊邪那美命に逢いに高天原で天照大神と戦ったりして

大暴れしたんですよね。」

「よく知ってるね、その通りだよ。

君にあげれる力は姉上のように断片的ではなくて、もっと大きなものだ。

しかし君は少しだけ僕の闇の力とは相性が悪いなぁ。そこの女の子。」

「は、はい!」

「女の子に多くあげよう。二人とも手を前に出して。」

手を繋ぐと、とてつもない力が流れ込む

「ぐ!こ、れは」

「やば、い。強すぎて」

「あはは、頑張れー」

「おい、月読とやら。」

「ん?君は?ああ君か、無理だなぁ僕の力は。」

「そんなことは聞いていない。我と同じ存在がおるな?

お主らが作ったのだろう。我と同じように。」

「すごいなー君は、君は姉上に。僕が作ったのはまだかなぁ。

まだ時間がかかるんだ。じゃあねー君には2人を導くのをお願いするよ。」

「分かっている。」

「ありがとうございました!月読様!」

「あははーバイバイ、リクくん!

どうか。どうかこの世界を。



「ねぇ、リク。全部教えて。私が全然知らないことなんでしょ。」

「うん、実は………………」全てを伝えた。

「君を失うのが怖くて黙ってたんだ。」

「リクはリクでしょ。」

「ああ。」



「それにしてもとてつもないな。太陽と同じだけの力がある。」

「私は少し多すぎる。だってこれを使いこなしたら、

昼のリクより強くなっちゃうんでしょ?」

「ああ、そろそろやばくなってきたな。インフレが。」

「インフレ?」

「ああ、こっちの話。しかし、これで魔法の練習が昼も夜もし放題だ。

それに闇はダンジョンでも使えるからね。」

「リクもそうだけど、私も同じ土俵に立っちゃいそう。」

「僕たち3人最強じゃね?」

「うん!」「もとからだ。」

しかし伊邪那美か。どれくらい強いんだろう。

まぁ、敵か味方かもわからないが。





















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