第21話 神狼ダンジョン再び

朝から元気なグラン先生

「今日はダンジョンに行くぞ!Cランクダンジョンだそうだ。

今回は一年全員で行くからなー。

学院長曰く、最近は貴族でも冒険者が増えている。

そこでダンジョンの過酷さを教えることで冒険者になるのを

防ぐらしい。」

「しかしCランクとは些か高ランクすぎませんか?」

「いや、教員もつくし安全には考慮している。」

「そうですか。」



ダンジョンに着くと

「ばかですか?」

「馬鹿だな。」 「ええ。」

そこは何と神狼のダンジョン。

かつてラーがボスをしていたダンジョンだ。


「グラン先生、無理です。今すぐやめさせてください。」

「ん?どういうことだ?」

「ここの魔物はたとえあなただろうと相手になりません。」

「なに?今回はドラン先生が全て手配したんだがな。」

「そうですか。」

「ちょ、どこ行くんだ?」

「ドラン先生のところです。」


「ドラン先生。」

「なんだ?」

「今すぐこのダンジョン訓練をやめてください。」

「こんなCランク相当のダンジョンならば私1人でも可能だが?」

「不可能です。そもそも誰がCランクなどと決めたのですか?」

「私だ。神狼のいなくなったこのダンジョンにAランクの危険はない。」

「どうゆう進行をするんですか?」

「まずはSクラスが、そして3時間ほどで最奥まで行き帰ってくる。」

「今すぐとめてください。」

「ちょっとあなた。」

「はい?」

「早くしてくれないかしら?私達の時間はあなた達Eクラスの時間より

貴重なの。」

「僕らのが優れているのに?」

「うるさい!

たまたま3年Sクラスに勝てただけで調子に乗るんじゃないわよ。」

「たまたまで勝てると思っているところが愚か過ぎて笑いを

禁じ得ません。」

「あ、あなた。男爵家の分際で。私は辺境伯家よ!」

「あなたと話す時間は無駄ですね。

ドラン先生、本当に行くのですか?」

「当たり前だ。そもそもお前に私を止める権利などない。」

「仕方ありませんね。では僕もついていきます。」

「ダメだ。」

「これを見ても同じことが言えますか?」

僕は彼にだけ僕のギルドカードを見せる。

「な!?まさか。」

「これは頼んでるんじゃない。命じてるんだ。

僕を連れていかないということは、

冒険者ギルドひいては王国を敵に回すと同じことだぞ。

これでも譲歩してやっている。」

「くっ、わかった。」


Sクラスの生徒は不満気だったが僕はついていく。


「ちょっと行ってくるよ。」

「うん、気をつけて。」マリアは心配しない。

何故なら今の2人にはダンジョンは怖くなどないから。

ラー相手ではわからないが、月読の力を持ってすればできないことなど

ほぼない。無限の魔力。マリアに至っては、未だ完全ではないが、

ダンジョン内では、世界屈指いや、2番目だろう。

事実マリアでは、確かにリクよりも月読の力は大きいが

リクよりも引き出すことができない。それは当然である。

リクは太陽の力をほぼ完全にものにしている。

その感覚があの短期間で闇の力を引き出せるのだ。



「なんかダンジョンってジメジメしてていやだなー」

「ほんとそう、早くお風呂はいりたいなぁ。」

などなど、よくもまあここまで気が抜けるもんだ。


「来るぞ!」僕は合図を出す。

オーク一頭がこちらに来る。

一斉に皆が魔法を使うが棍棒で全員の魔法を殴り消し去る。

「う・そ?」本当だ。

僕は助けない、

死の直後までこいつらには冒険者になられるわけにはいかないから。

カリオスは必死に戦うが劣勢だ。

「わかりましたか?このダンジョンは世界屈指。

あなた如き道化が敵うダンジョンなどではないと。」

「わ、わかった。もう2度と軽率な行動は取らない。だから頼む。

こいつを倒してくれ。」

「嫌です?ニコッ。」

僕だって助けたい。

でも今助ければこの人はもう一度同じことをするだろう。

死、というものを感じてもらう。


オークの棍棒が振り下ろされる瞬間。

ザシュ!

僕は久々に剣を使いオークを殺す。

「わかったか。これがこのダンジョンのレベルだ。」

皆恐怖で心を一色に染めている。

   <月読の和玉にぎみたま>

直径三十センチほどの小さな球体はそれでいてとてつもない

存在感を誇るが、これは攻撃ではない。

月読が、夜の混沌の闇がもたらす幸。

この空間で死んでいった者の多さに比例する。

このダンジョンでは回復力も桁違いだ。

皆の怪我がみるみる治る。

もう、自分で戻れるだろう。

流石にオーク一頭に壊滅させられるとは思わなかったけど。


「みんな。今回のダンジョンは中止だって。」

「なんで?」

「先生がレベルを間違えちゃったみたいでさ。

だから今回は見送るみたい。」

「残念だなー」などなど口々に言っている。


「まって!リク=リーゼロッテ!」

「はい?あ、先ほどの。」

声をかけてきたのは先程突っかかってきた女子生徒だ。

「ごめんなさい!私、身の程知らずにあんなこと言って。」

「素直に認められるのは良いことです。もう2度としないでくださいね。」

優しく語りかける。

「あ、はい。」リクは気づいていないが、頬が赤くなっていた。


________________________


投稿遅れてすみません。正直な話、SAO30巻ほど大人買いしまして、

時間が奪われてしまったのと、僕はピアノを嗜んでいまして、

少々熱が入ってしまったのが原因です。

もう少しでクラスメート達を連れて来る予定です。

どうか本作を暖かく見守っていただけると嬉しいです。

今後ともよろしくお願いします!

























  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る