第13話 英雄への第一歩

僕は仮面をつけて砦の上にラーと立っている

仮面をつけているのは勿論知られたくないから、学院で面倒だからね

「あれは子どもか?あんなガキに任せられるのか?」

まぁ流石に信用してくれないよね


「これは、半端ないな。一応試すね。」

   火絶級魔法<世界殲滅砲テラ・クリムゾン・レイ>

「今のは?絶級魔法か?」

「一人で?でも無理だ、絶級であれしか倒せてない!?。」



「時間がないか、仕方ない、ラー合わせてください!」

「任せろ!」

     <天照アマテラス荒魂あらみたま>

     <炎のコロナ>

極小のそれでいてとてつもない質量を持った太陽の内部に

ラーの内包した荒れ狂わんばかりの力が融合し

本物に極めて近い究極の技が完成した。

魔物達は溶けるように消滅していくが、このままでは残り二十万

恐らく倒しきれない

「リクやめておけ!今ので使いきった、死ぬつもりか?」

「まだだ、まだでき、ます。」

     <黒点こくてん> <荒れ狂うプロミネンス>

「倒せた?僕は守れないのかな?僕の、僕の力不足で?」

もう僕達は立つこともできない、当然だ。力を使いすぎた

「よくやった、残り九万程度だ。我らの約束は果たした。」

「頼、む。皆んな。」

その姿はまさに、世界をあまねく照らし、人々に希望を与える

燦然と輝く太陽。




リーファは叫ぶ!

「お前達の全力を見せてみろ!

あんな子どもが死ぬ気でここまでやったんだぞ!」

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおー

「皆んなーーーーーー死ぬ気でいくぞー!」





「う、マリア?」

「目、覚めた?まだ安静にしててね。」

「どうなりました、闘いは?」

「無事に倒しきったわ、リクとラーのおかげよ。」

「ラーは?無事でしたか?」

「もう!人のことばっかり、自分のこと心配しなさいよ!」

「ごめん、あ、ラーも大丈夫か。よかった。うわ!」

マリアが抱きついてきた

「自分が死んじゃったら意味ないでしょ!私との約束は?」

「えぇ、大丈夫ですよ。忘れてません。」



1日休んだ僕は都市で凱旋する予定になっていたが、出席しなかった

あまり人前に出ると後々面倒だ。僕が欲しいのは名誉じゃないからね

しかし、王宮に呼ばれているそうなので、

そこは流石に出ないと行けないらしい、まぁ正体は隠させてもらうが




ここが王宮か、派手だが品がある

しかし王族とはあまり関わりたくない、

なぜなら身分がとても高いからだ

貴族とは全く違う存在とも言える、あまりに完璧主義、合理主義すぎるのだ、

しかし相手も人間だ。

ここは少し苛立たせてみるか

流石に冒険者ギルドトップに軽率な行動は取れまい


僕とラーとマリア、僕とマリアは仮面をつけて参上した

口調も変える

「王の御前である。跪け!」と引率した男に命令されるが

「断る。私は自らの意思できたのではない。

客であるこちらがなぜ跪く必要がある?」

「貴様!王に対しての反逆か?」

「そんなつもりは毛頭ないが、そうだとしてどうする?

今回のスタンピード鎮圧を見て分かるように例え王国全土と戦っても

勝つのは火を見るより明らかだが?」

さぁどうでる?

「よい!確かにその通りだ。お主と戦うために呼んだわけではない。

まずは国を救ってくれて感謝する。

とてつもない魔法で九十万もの魔物を殲滅したとか。

そして褒美を与えようと思う。

何か望むことはあるか?」

やはり合理的だな

「では、要塞都市ガルダの領主と総大将を代えてください。」

「なんだと!?それはなぜじゃ?

余の親戚であるから任命した。優秀であるとも聞いている。」

「無能だからです、恐らく嘘の報告をしてきたのでしょう。

魔物が来る前に逃げようとしていましたよ。」

「なんだと!即刻調べ上げよ!すまなかった。

教えてくれて感謝する。しかしそれでは褒美にならん。

他に褒美を与える。」

「では、私に戦争には参戦しない権利を。」

「お主がいてくれると助かるのだが。」

「申し訳ありません、戦争には絶対に無理です。」

「まぁ、よいだろう。他にはないか?爵位は?」

「もう十分いただきました、それでは。」




「王様怖かったー。リク凄いね。あんなに喋れるなんて。」

「我が蔑ろにされてた気がする。」

「まぁ僕も緊張してたよ、それにラー、

その見た目ではしょうがないかと。」

「まぁ良い。我は世界を征服したいわけではないからな。」

しようと思えば出来るだろうに

「でも、よかった。沢山の人の命を救えたな。」

「それにしても、あそこまでの魔物はおかしいぞ。」

「どういうこと?」

「恐らく何かが起こる前触れかもしれぬな。」

「ま、とりあえずこれからもよろしくお願いします、マリア、ラー。」

「もちろん!」「もちろんだ!」

















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