第7話 DからAへ

村につくと門のところに槍を持った人がいた

「すみません、依頼を受けた冒険者です。」

「お、報告は受けていますが、すいません少し年齢が、ギルドカード

を見せていただいても宜しいですか?」

「大丈夫ですよ!こちらです。」

「はい、本当ですね。では村長のところへ案内します。」

親切だなぁ、それに村のみんなも仲が良さそうだしこの笑顔を絶やしたくない

しかしどことなく空気が重いような?

そんなことを考えていると村長の家に着いた

「ようこそおいでくださった、冒険者さま。」

「はい、リクと申します今回はよろしくお願いします。

ゴブリン退治だそうですが、何匹ほど?」

「ねぇ、おじいちゃん、こんな子どもが本当に倒せるの?」

「やめなさいマリア、確認もしておる。」

この僕と同じ赤眼、赤髪のガキ、

僕から見たら君なんか小学生なんだからな

恐らく僕と同い年であろう少女はマリア、全く聖母マリアのように

慈愛に溢れた少女のような容姿なのに性格はよくないのかな、ほんとに

「あはは、仕方ありませんよ、僕なんてまだ冒険者なりたてで。」

「そんなことありません、立派なことですよ。それでゴブリンなんですが

最近村の外に出た女が拐われておりまして、やけにゴブリンの数も多いのです。ですからできれば全滅させていただけないかと、勿論今日はこの家に泊まっていただいて明日からで大丈夫です。」

「では、お言葉に甘えて。今日はお願いします。」



僕はお風呂に入り後は寝るだけとなった時、マリアに話しかけられた

「ねぇ、あんた本当に強いの?」

「少なくともゴブリンレベルならば遅れは取らないよ。」

「まぁ、いいわ。せいぜい頑張ってね。」

「うん、ありがとう。」この女ー腹立つー

ゴブリンについて説明しよう

ゴブリンは雄のみの種族である、だから他の種族に子を産ませなきゃ

いけない。そこで人間の女を誘拐して子を孕ませるのだ

ゴブリンは純粋な悪である、時に弱いものを凌辱することもある

ゴブリンはランク順にゴブリン→ゴブリンエリート→ゴブリンマジシャン→ゴブリンジェネラルの順で最高ランクA正直超級魔法で一撃だが

さすがにまだ会うことはないだろう(フラグ)



朝、僕はマリアに叩き起こされた

「リク、リク!早く起きてゴブリンジェネラルが出たわ。」

「どこに?早く教えてくれ。」

僕は全力でかけ出す


「こ、これは。」その光景はまさにものすごい数

ざっと1000はいる前を歩くのは強い魔物だから目算もくさんだが

ジェネラル1体マジシャン10エリート20

残りはゴブリンだ

千の行進に地面が震える

「お、終わりだ。」

「村長、そんなこと言わないでください、僕がこの村は守ります。」

「し、しかし。」

      火超級魔法<獄炎殲滅砲ギガ・デストロイ・レイ>

突如、ゴブリン達の頭上に巨大な魔法陣が発現し、そこから一筋の赤い線

が地面に向かって伸び、ついた直後に大爆発。威力は大体、核爆弾並みだ

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!?!?!?

とてつもない音と共にゴブリン達の阿鼻叫喚が耳をつんざ

「こ、これは、何という威力の魔法!?」

「よしこれで大丈夫です!皆さん安心してください!」

「今のはリク殿が?」

「そうですよ。」ゴブリンはいくらいようと所詮、烏合の衆だ。

「すいません、僕にはまだやることが。」

そう、連れ去られた女性たちを探しに行くのだ。

もし仮に手遅れでもせめて遺体だけでも持ち帰りたい。

ゴブリンたちは南下してきたのでこのまま北へ行けば大丈夫だが。

 

「見えた!洞窟だ。」

まさか、巣のゴブリン達まで出てきていたとは。

確かに住んでいた形跡はある。


「や、やめて!」

「ぐぎゃぎゃぎゃ。」

「い、いや、いやーーー!!」

「もう大丈夫だ。」

スパ!僕は自前の短剣でゴブリンの首を斬る。

犯される直前だったようだ。やはり集団にはああゆう奴が出るか。

「2人も捕まえていたか。!?」

「この子を助けてください。私の娘なんです!ゴブリンに殴られて。」

見たところ5歳くらいだろうか?頭から血を流している。

「これはまずい。仕方ない。2人とも僕におぶされ!」

無理やりおぶって僕は洞窟の外に出る。

「はあ、はあ、よし、もう大丈夫だ。」

「な、何を?」

  <纏い・天照>

僕の身体を炎が包み込み、燃え上がり、徐々に僕の体内へ収まる。

直後僕は全力で走る。さきほどまでの息が切れていた状態が嘘のように

人間離れした速度で加速する。

「よし!着いた。」

やるしかないか。まだ体が持たなそうだが。

  <天照の和玉>

瞬間!この村含め周辺全てを円に炎が包む。

しかしこの炎は何人なんぴとをも傷つける業火ではなく。

世界を癒す神の慈愛の炎である…………が、そんなとてつもないものを

今のリクが扱いこなせるわけがない。

必要以上に範囲を拡大し莫大な力と引き換えに自らの身体を痛めつける行為。

癒しとは程遠い地獄を味わっているのである……が、やめるわけにはいかないのだ


ドサッ!と前に倒れるリク

驚いた2人の女は急いで村の皆んなに説明と治療をお願いした。



「ん?僕はどうしたんだっけ?

そうだ!女の子は?」

「リク殿!よかった。」

心底安心する村長

「ん?そういえば僕は倒れましたね。」

「ええ、もう丸一日寝ていたのです。リク殿が使ったあの炎であの親子はたちまち治り

村の作物はいきなり実り、

土地は肥え空気が浄化されているのです。」

「そうですか。よかった。」

「良かったじゃないわよ!そんなことであんたが死んじゃったら

元も子もないじゃない!!」

泣きじゃくるマリア。

僕のために泣いてくれる人がこの世界にも出来たのか。

「ありがとう、わかったよ。これからは自分を大切にする。」

「当たり前よ。」


「リク殿、どうか何かお礼させてください。」

「いえいえ、報酬は予定通りでいいです。僕もいい経験になったので。」

「お兄ちゃん!ありがと!お兄ちゃんのおかげであたち元気だよ。」

「私からもお礼させてください。

本当にこのたびはありがとうございました。」

「いえいえ、本当に大丈夫ですから。」

「いや、そうはいきませぬぞ。皆の者!宴会の用意をせい!」

うおおおおおおおお

という大歓声と共に僕が主役の宴が開催されてしまった、

まぁ、今日ぐらい楽しもう!


「リク殿、この度は誠にありがとうございました。しかしこの村には

あまりお金が無いのです。」

「そんな、大丈夫ですよ。宴で楽しませていただきましたし、

充分です。」

「そうはいきません、リク殿は魔法が使えるということは貴族さまなのですね。ところで婚約者様などはいらっしゃるんですか?」

「いえ、ここだけの話貴族のお嬢さんは好きになれないんですよ。」

「おお!それではマリアを貰って頂けませぬか?マリアは実は魔力持ちなのです、それも火属性の。

リク殿にぴったりだと思うのですが。」

「いえいえ、そういうのは本人の気持ちが大事だと思いますし。」

「本当にリク殿はできたお方だ、しかしマリアはもうリク殿のことが好きだと思いますよ。」それはない、あのツンデレのツンしかない女だぞ

「私、リクのお嫁さんになりたい。」頬を赤く染めながら恥ずかしそうに

言う彼女はとても可愛かった、え、ツンデレじゃん、超可愛い!

「本当ですか、本当にいいんですか?」

「勿論、村の英雄ならば何の問題がありましょうか。こちらから

お願いします。」

「マリアは本当にいいの?」

「もちろん、よろしくね、リク。」と抱きついてきた

「ちょっと恥ずかしいかなぁ、じゃあ、友達から。」

僕の二度目の人生、初の友達ができたのだった。

「それでは今日はもう寝ます、じゃあマリアと皆さんおやすみなさい。」

「今日は本当にありがとう御座いました。」と頭を下げている


よかった、みんなの笑顔を守れて

もっと強くなって沢山の人を助けたい!






















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