第7話 「奴隷たちはZカードを手に入れた」

 というわけで、無事に2日目の朝を迎えたパーティの面々。

 まずは手に入れた戦利品(モノ)を売ってお金が欲しい!




ヒューマ:売った分のお金って、ここにストックされるの?


GM:いや、現金が渡されて、君たちが持っていていいよ。


マリリン:そうなの? やったー。


ドリル:僕はサーベルを売りたいんだけど。


ヒューマ:何で自分の装備から売るんだよ、もったいないだろ?


ティファーラ:損するだけじゃん。




 そう言えば、ドリルってサーベルを1回も使わなかったような。「尻尾の方が当たりやすい」とか言って。




ヒューマ:えーと、一番最初に手に入れたのは……。


ドリル:ハンカチだよ、ハンカチ。蜂の絵が描いてあるヤツ。


GM:そうすると、ルーンフォークの執事たちが言うには、「「ザバール様が興味を示している」」と言って、君たちに「Z」の書かれたカードを渡してきます。


ドリル:これは?


GM/執事たち:「「これは、ザバールポイントカードでございます」」


ドリル:ポイントカード?


ヒューマ:つまり、ザバール様が興味を引くようなモノを見つけてくるとポイントがもらえるんだね?


GM/執事たち:「「そのハンカチを渡すと800ザバールポイントになります」」


ティファーラ:800? 高くない?


マリリン:価値観が分からないんだけど。


ヒューマ:800ポイントってどのくらいなの?


GM/執事たち:「「はい。特典を申し上げますと、ザバールポイント500ポイントを払いますと、翡翠の塔へ渡る『運河の通行証』をお渡しします」」


ヒューマ:ん!? 翡翠の塔?


マリリン:運河があるの?


GM:はい。パーティで誰か一人が持っていれば大丈夫です。何回でも使えます。


GM/執事たち:「「例えば、ザバールポイント1万ポイントをお貯めになりますと……」」


ヒューマ:1万!?


ティファーラ:遠ッッ!


GM/執事たち:「「……こちらの腕輪が」」


ティファーラ:腕輪!?(喜)


GM/執事たち:「「これは『名誉蛮族の証』です」」


ティファーラ:いらないなー。


ヒューマ:いや、いるでしょ!? どう考えても。つまり、それがあれば、奴隷じゃなくなるんじゃないの?


GM:うん。蛮族と見なしてもらえる。


ティファーラ:いらないじゃないか、やっぱり。


ドリル:いや、いるでしょ!?


ヒューマ:お前は一生奴隷のままでいるつもりなのか?


マリリン:(笑)。


ティファーラ:だって、蛮族になるんだよ? その腕輪。




 名誉蛮族に、俺はなる!!!(1万ポイント貯めて)




ヒューマ:あ、でも1万ポイントって、パーティでってことでいいの?


GM:1人だよ、もちろん。


ヒューマ:遠い! 4万ポイントいるってコト!? ……あ。でもティファーラはいらないから3万か。


GM/執事たち:「そのほか、ザバールポイント6000ポイントをお貯めになりますと、荷物にこっそり詰め込んで、この街から逃がして差し上げます」


ヒューマ:えーと、それも一人当たり?


GM:もちろん。


ヒューマ:そうすると2万4000ポイントがいるってコトかー……。


GM:しかし、ここで名誉蛮族として生きていくつもりなら1万ポイントを貯める。脱出するなら6000ポイント。


ドリル:脱出したとしたら、その後、どうなるのかな? 何か、良いことあるのかな?


マリリン:奴隷よりはいいんじゃないの?


ヒューマ:やっぱり、まずは俺たちをここに送り込んだ宿屋の主人に復讐に行くんじゃないの? マッドヘッドとか言うヤツ。


GM:逆ギレじゃん!




 逆ギレとか言われたくないけど。新米冒険者を4人も霧の街へ送り込んだワケだし。




ドリル:あの、脱出する時に「荷物の中に詰め込む」って言ってるけど、その後、また売られるとかあるの?


GM:いや、ザバールが扱う荷物の中、例えばタルの中に入れてもらったりして外に逃がしてもらうってことだよ。どうする? ハンカチを渡す?


ヒューマ:ハンカチ渡してポイントをもらっておくかー。


マリリン:そうだねー。


ドリル:800ポイントー!


ティファーラ:やったね!


GM:ポイントカードは誰が持ってるの?


ドリル:やっぱりハンカチを見つけた僕じゃないかな?


ティファーラ:勝手に使わないでね!


ドリル:まあ、そんなことはしないさ。


GM:執事たちが言うには、「「もし、あなた方がザバールポイントを稼ぎたいとお考えでしたら―――もちろん、現状お願いされているペンダントの捜索を忘れていただいては困りますが―――『サカロスの薬酒』を持ってきて頂ければ、ザバールポイントなら750ポイント、もしガメルをお望みでしたら一人500ガメルをお渡しします」」と。


ドリル:おー。


ヒューマ:なるほどー。このシナリオはこういう感じでザバールポイントを稼ぎつつ……。


GM:生き延びていく。


ヒューマ:そして、現時点で現金化できるものは合計290ガメル。


GM:ああ、拾った戦利品の分か。


ヒューマ:そう。でも4人で分けると72.5ガメル。微妙な金額だなー。


マリリン:うん……。


GM:あ、そうそう。なんと! 今後、このルーンフォークの執事たちからお買い物をすると、買った値段の1割がザバールポイントになるという。10%のキャッシュバック!


マリリン:マジで!? やったー!!


GM:買うならここで買わなきゃ!


ティファーラ:ここ以外に買うとこないでしょ!!


ヒューマ:うーん。しかし、誰か、290ガメルでどうしても欲しい物とかあるかな?


ティファーラ:食料。


マリリン:食料かな。ここにちゃんと戻ってこれればいいけど。


ドリル:盾が欲しい。


ヒューマ:うーん。つまり、お金が普通に欲しいってこと?


ドリル:欲しい。


ヒューマ:じゃあ、みんな分けたいってこと?


ドリル:うん。分けたい。




 ドリルの強い要望により、全員で山分けすることに。

 結構、お金にシビアだね、ドリル(の中の人)。




ヒューマ:じゃあ、さっきティファーラは保存食を1個使ったから、その分の10ガメルを補填して余った280ガメルを4人で割って1人70ガメルで。


一同:やったー!


ヒューマ:つまり、基本的にパーティ資金のようなものは持たずに行くので、みんな自分で管理する感じでー。


マリリン:そうだね。せっかくキャラクターシートに「借金」の欄があるから、活用していく感じで。


ヒューマ:俺自身が活用しそうで嫌だけど。


ドリル:そうそう、盾を買いたいけど、バックラーしか買えない。


GM:まあ、ロングボウを使うから、そもそもあまりいらないんじゃないかな?


ドリル:そっかー。じゃあ貯めておこうかな。




 とりあえず、手に入れた290ガメルは分けたものの、特に買い物をしないで様子見的な感じで。

 しかし、ザバールポイントカードはいいね。

 10%もキャッシュバック(じゃないけど)されるのが最高!


 最近じゃあ、10%も還元されるお店、見たことないよ!


 ザバールでござーる♪(古い、というか聞かれたらヤバイ)

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