第4話 「奴隷たちは闘うことの意味を知った」
夜間、蛮族の狩り場、というか漁場であると思われる『噴水広場(仮称)』を後にして、西へ向かうことに。
気が付くとGMがやたらとダイスを振っている。
「コロコロ……」「コロコロ……」という音だけで、ワンダリングにおびえるパーティの不安を煽っていく。
……さすがにちょっと煽りすぎじゃないですか?
GM:では、そのまま西へ行く、と。了解。……(コロコロ)……そうすると、先ほどまでは人の姿もチラチラと見えていたんですが、蛮族も人間も含めて全然見かけない場所にたどり着く。
ヒューマ:ヤバイとこに来ちゃったよ!
GM:はい、非常に静かな場所に来ました(笑)。とても静かな場所を歩いていますが、たまに足元から「ペキリペキリ」と音がします。
マリリン:えー!? 何の音?
GM:えーとね、レンジャー持ってる人がいれば……知力で判定。難易度は9。
ヒューマ:はい、レンジャー。知力かー。低いよ! ……(コロコロ)……あ、成功した!
GM:あなた方が踏みつけているのは、すべて骨だ。
ドリル:骨!?
ヒューマ:骨キタ!
GM:散らばっている骨は、人間、蛮族問わずに転がっている。
ドリル:え? それってちょっとヤバくない?
ヒューマ:お、もしかして、探していた『骨の川』ってここじゃないか?
マリリン:やったー!
ドリル:いや、絶対違う、絶対違う。だってこれワンダリングだから! GMがダイス振ってたし。
一同:(笑)。
ヒューマ:ねえ、GM、これってワンダリング?
GM:さあ? どうでしょう。
ヒューマ:あ! そう言えば、そろそろ松明とか使わないと見えなくなるんじゃないか?
急に取り憑かれたように明かりの重要性を説き始めるヒューマ(←人間)。
ティファーラ:私、暗視あるから困らないよー(←エルフ)。
ヒューマ:俺は見えねーんだよ! ちょっと、誰か松明着けて。って言うか持って。バスタードソードを両手で使ってるからさー。
ドリル:いや、僕だってロングボウは両手だから(←リルドラケン)。
マリリン:私もバトルアックス両手だからー。あと、暗視もあるから(←ドワーフ)。
ヒューマ:ちょっと、魔法使いのヒト! 松明持ってよ!
ティファーラ:私だってバックラーあるもん。あと何とかと何とかも。
ヒューマ:バックラーしまえや。何とかと何とかも!
ティファーラ:何とかじゃない! ぬいぐるみとかリボン!
ヒューマ:何でぬいぐるみなんて持ってんだよ!? 奴隷にはいらねーもんだろ!
ティファーラ:いります。
ヒューマ:じゃあ、バックラーしまえ!
ティファーラ:やだよ、だって回避下がるもん。
ヒューマ:あー、そうですかそうですか。じゃあ、いーです。戦いませーん。
ドリル:オイ!
GM:いや、ティファーラさん。素直に【ライト】を誰かの頭にでも唱えればいいんじゃ……。
ティファーラ:あ、そうか。じゃあ、ヒューマの頭に【ライト】唱えるー。
ヒューマ:何で頭なんだよ!? 頭はヤメロ! せめてバスタードソードにかけろよー。そうしたら魔法の剣みたいになるからさー。
ティファーラ:おー!(ぼむ) じゃあ、私のダガーにかけようっと!
ヒューマ:私のダガーかよ!? 暗視あるんだからいらねーだろ!
ティファーラ:「この魔法のダガーを見なさい!」(エヘン)
ヒューマ:自己顕示欲のカタマリだな! 暗視がない俺やドリルにかけてくれよ!
ティファーラ:わかりました。じゃあ、あなたのダガーにかけてあげよう。
ヒューマ:ダガーじゃないっつーの! バスタードソードだわ!
GM:で、結局どこにかけるの?
ティファーラ:バスター……?
ヒューマ:バスタードソード! だっつーの!
ティファーラ:マスターに?
ヒューマ:オイ! 誰もGM(マスター)の頭に掛けろなんて一言も言ってねー!
GM:キサマ、今、俺のヘイトを20は上げたな!
ヒューマ:何で俺なんだよ!? 俺が悪いんじゃねー! ティファーラが言ったんだよ!
ティファーラ:いや、言ってないよ? あ、じゃあその剣ねー。はい、【ライト】。3時間光りっぱなしだってー。
ヒューマ:ヤバイ(笑)。光りすぎて、狙われるとしか思えない。「ぴかー」
GM:さあ、ここで何かする? 時間を費やして捜索するか、立ち去って先に進むか。
マリリン:まあ、もしかするとここが『骨の川』かもしれないから、捜索したら?
ドリル:確かにね。
ティファーラ:いや、そんな近くにあると思う? 『骨の川』。
ヒューマ:まあ、確かにねー。でも骨だらけだし。何かないの? 魔法的なものが分かる魔法。
ティファーラ:(ルールブック確認)あ、【センス・マジック】とか唱えるとどう?
GM:えーと……あ、ダメだね。「30m以内の物体一つ」だから、調べたい物を指定しないと使えない。
ヒューマ:ダメか。じゃあ、捜索だなー。
GM:では捜索を。スカウトかレンジャーレベルで知力判定を。目標値はたったの11。もちろん技能がない人も平目でできるよ。
ドリル:11? 高くない!?
一同:せーの……(コロコロ)……。
しかし、全員目標に足りず。
と思ったが、ふと見ると、ヒューマのダイス目は「4」と「1」。
ヒューマ:あ、ちょっと待った! 種族特徴の【剣の加護/運命変転】を使う! そうすれば、「3」と「6」で9。知力ボーナス2とレンジャーレベル1を足すと12。つまり成功!
一同:やったー!
GM:では、あなたは、この骨やら何やらの中に、価値のある物、ない物をごちゃ混ぜにして積み上げたガラクタの山を発見します。
ヒューマ:ガラクタの山?
GM:そう。そして、あなたが欲に駆られた目つきでガラクタの山を見ていると、何かがあなた方に襲いかかってくる! 上空から影が二つ!
ヒューマ:えーーー!? 上空!?
ティファーラ:ムリムリムリ。
ドリル:やめてー! あ、一応飛べるわー。[剣の加護/風の翼]で。
ヒューマ:じゃあ、頼むわー。俺、下で待ってるー。
ティファーラ:タノムー。
マリリン:よろしくお願いします。
ドリル:え、ちょっと待って、ムリだって。最大で6ラウンド……1分しか飛べないし。
GM:では。距離は10メートル。外観の説明をすると、1体は美しい女性……の上半身と、鳥の下半身を持っている。
ヒューマ:ハーピィ?
GM:もう1体は全身が炎に包まれた鳥。……で、泣き叫んでいる。
ティファーラ:あ、フェニックス!?
ヒューマ:いや、それがホントなら全滅確定するわ(笑)。そんなことよりセージは早く識別して欲しい。
ティファーラ:あ、へーい。
GM:では、戦闘開始前に、敵の種別ごとに識別できるよー。だから、まず最初にハーピィっぽいヤツ。はい、知力+セージで判定して。ない人は平目。
一同:……(コロコロ)……。
何と言うことだ。
冒険者にとって「敵の識別」は重要な項目。
すなわち「敵を知り、己(おのれ)をなんちゃらすれば、百戦なんちゃらからず」的な。
セージいるわー、ゼッタイにいるわー。2人は必要な勢い。
GM:ティファーラだけが成功。うむ。では、わかった。あれは「ディーラ」という魔物だ。歌を歌ってくるぞ。抵抗に失敗すると言いなりになっちゃうらしいよ。
ヒューマ:なんてこった! まさにHFOにとっての天敵! 抵抗できないしー。
GM:しかし、残念ながら弱点まではわからなかった。じゃあ、次にフェニックスっぽいヤツ。
一同:……(コロコロ)……。
GM:マリリンとティファーラが成功。男はアホばっかりだな。あれは火喰い鳥―――「フレイムイーター」! ヤツには炎が効かない。そして炎を吐く。しかしやっぱり弱点はわからない。
マリリン:わーい!(←[剣の加護/炎身]で炎が効かない)
GM:ドワーフには炎を吐かない!
マリリン:えーーー!?
GM:……というほどの知性はない……。
ヒューマ:じゃあ、マリリンは「フレイムイーター」を頼みます。その後、「ディーラ」ね。
マリリン:う、……うん。
GM:さあ、戦闘だ! まずは先制判定。スカウト+敏捷。敵は先制値が11。つまりこれ以上を出さないと先手を取られる。
ドリル:うぉぉぉぉ!(←やる気出て来た)
マリリン:なんで!? 私なんて11出さないとムリだよ?
ティファーラ:はぁぁぁーーー! ……(コロコロ)……あ、2だー。
ヒューマ:ふざけんな! ……あ、50点もらえるんじゃない? ファンブルだから。
GM:ホントだ(笑)。
ティファーラ:マジで!? やったー! ラッキー!
ドリル:いや、やってないよ! ……いいなー。
ティファーラ:ごじゅう~♪ ごじゅう~♪
行為判定にピンゾロを振ると絶対失敗(ファンブル)。
言って見れば、超迷惑な失敗である。
しかし!
なんということか! 経験点が50点ももらえる。
この事実を知った瞬間……。
「うぉぉぉーーー! ピンゾロ来いッッッ!」
「ピンゾロこーい!」
「ちょ、誰かは11以上出さないとダメだって分かってる? とりあえずお前ら先に振れよ!」
などと人間の浅ましい一面を見ることになった結果……。
GM:じゃあ、敵の先制ねー(笑)。
ティファーラ:もう! 誰だよ、ファンブルしたヤツ!(←本人)
GM:えーと、ディーラの知能は……人間並みにある。ということで、抵抗の弱そうなドリルに「魅了」! リルドラケンの頭が弱いのは人間でもわかるからな。ということで、ドリルに向かって歌い出すぞ。
ドリル:ら~ら~らら~♪
ヒューマ:余裕があるな。
GM:精神抵抗力で、目標値は10。失敗すると何でも言うことをきくようになっちゃうよ。
ドリル:えー。6以上か。とりゃ……(コロコロ)……あ、12。クリティカルだ!
一同:おー!
GM:では、ディーラの歌声はドリルにまったく効かない。
ドリル:あ、これって経験値もらえるの?
GM:もらえません!
ドリル:そっかー。自動失敗しないとダメかー。
ヒューマ:いや、この局面だと、それは本当に困るけど。
GM:ちくしょー。次は火喰い鳥(フレイムイーター)かー。誰に炎を吐くか……。ドワーフ以外で。しかし、10メートルもあるから届かない。……ので、まずは移動。移動は「敏捷」の能力値分のメートルだけ通常移動できるから、15メートルまで移動できる。よし、移動してドリルとマリリンにエンゲージ。「乱戦エリア」というヤツだね。
ヒューマ:エンゲージしないと攻撃出来ないの?
GM:近接攻撃はね。で、エンゲージ抜ける時には攻撃を食らうよ。で、火喰い鳥は炎を吐く。どっちがいいかなー♪ ドリルがいいなー♪ ……(コロコロ)……ドリル。
ドリル:オイオイオイオイ!(怒)
ヒューマ:いや、お前ってヒットポイント一番多いだろ……って29もあるじゃん!(←HP24)
マリリン:いいなー。(←HP19)
ティファーラ:私、困るんだけど!(怒)(←HP14)
GM:では精神抵抗力で。
ドリル:回避じゃないの? 精神なの!?
マリリン:「熱くないと思えば……!」ってコト?(笑)
GM:ということで目標値は10。
ドリル:結構高いなー。いくぜ! ……(コロコロ)……成功!
GM:でもダメージはあるよ。……(コロコロ)……防具無効の3点ダメージ。魔法だからね。属性は「炎」。……って、もう終わりかよ!? 敵! 次はPCの番だから好きな順番で行動していいよ。
マリリン:攻撃ってどうやればいいの?
GM:ドリルとマリリンが敵とエンゲージしているから……「自分の倍の数までを食い止められる」から、この場合、フレイムイーターは2人を食い止めることができるね。
ドリル:エンゲージを離脱するには?
GM:エンゲージを離脱する時には、「離脱宣言」をしてから攻撃を1回受けて離脱できる。もちろん回避修正にマイナスを受けるけど。
ヒューマ:うーん。「ディーラ」のところに行った方がいいかな? あ、でも先にエンゲージしている人たちが攻撃したら?
ドリル:うーん……。射撃もできる? そっちの方が得意なんだけど。
GM:……(ルールブック確認中)……できるね。乱戦エリアの外から撃ち込む場合には、誤射、つまり仲間に当たる可能性があるね。《精密射撃》とか持っていれば別だけど。
ドリル:違うエリアにいる敵だったら、射撃しても大丈夫?
ヒューマ:そもそもどっちの敵の方が強いんだ?
GM:えーとね。モンスターの核で言えば、ディーラの方が上。さあ、どうしますか?
マリリン:まあ、私は火喰い鳥しか狙えないから、私からやるよ。
GM:来なさい。相手の回避は10。つまり11以上。
マリリン:でかいの出ろ~! ……(コロコロ)……9。ということは13。
GM:命中です。
マリリン:あ、今、手に何ももっていなかったから、両手で持っていたってことでいい?
GM:本来であれば、補助動作で武器を抜いてから攻撃、という流れなので、OKだよ。もう1回ダイスを振って下さい。それをもとにレーティング表でダメージを決定します。両手だから「2H」の「威力26」のレーティング表だね。
マリリン:いくよ~。……(コロコロ)……10。
GM:では、レーティング表のダメージ欄を見ると「10」。それにファイター技能と筋力ボーナスを足した数がダメージになる。
マリリン:えーと、14。
GM:そこから相手の防具を引く。……グバシャ! フレイムイーターからもの凄い量の血が飛び散る! もうヨレヨレだね。
ヒューマ:お! もしかするともう一撃で行けるんじゃないか!?
ドリル:じゃあ、サーベルで……あ、やっぱり尻尾で攻撃しよう。
ヒューマ:え? サーベルの方が強いんじゃないの?
ドリル:そうだけど、サーベルの方が当たりづらいんだよ。だから尻尾で。攻撃しまーす!
GM:回避は10。あ、違った。飛んでいるから+1で11。つまり命中させるには12以上だ。
ドリル:じゃあ、こっちも飛んじゃおうかなー。補助動作で飛べるし。……そう言えば、尻尾って補助動作使うの?
GM:そうだね。補助動作で準備する必要がある。
ヒューマ:じゃあ、普段は尻尾はしまっておいて、戦闘になると「ぴょこん」と出すってこと?
GM:違うよね! 戦闘になったら「構える」とかそういうコト!
ドリル:補助動作は何回までできるの?
GM:……(ルールブック確認中)……「《戦闘特技》はラウンドに1回のみ」となっているけど、補助動作についての制限は書いていない。つまり何回もできるね。
ドリル:そっか。うーん。まあ《牽制攻撃》だけでいいかな? 命中に+1。尻尾がもともと+1だから合計+2。……(コロコロ)……あー、外れ。
GM:では次。 誰?
ティファーラ:はい! これってダガーで攻撃するにはどうすればいいの?
ヒューマ:え? 武器で攻撃するの? 普通に魔法で攻撃すればいいじゃん。魔法使いなんでしょ?(笑)
ティファーラ:そっか。じゃあ、【エネルギー・ボルト】で攻撃するよ。
GM:どちらに? まあ、《魔法拡大(数)》で増幅して両方に撃つってことも可能だけど。
ティファーラ:1発が5点だから、10点も減っちゃうじゃん!
ヒューマ:じゃあ、俺から行っとくか。ディーラに《全力攻撃》で。両手で。どりゃあ……(コロコロ)……10。
GM:多分、当たらないけど。……外れ。全然当たらない。
ティファーラ:じゃあ、火喰いムシを倒そうっと。
GM:火喰い「鳥」です!
ティファーラ:【エネルギー・ボルト】で! これって必ず当たるの?
GM:当たるけど、抵抗されればダメージが減る。魔力は? ソーサラー技能レベルと知力ボーナスの合計。
ティファーラ:6。
GM:相手の精神抵抗力は10ですから、11以上が必要。
ティファーラ:てぃやー! ……(コロコロ)……あーーー!
ヒューマ:ピンゾロかよ!?
GM:また経験点50点。
ヒューマ:ちょ、おま、何やってんの?
マリリン:ちょっと~(笑)。
ティファーラ:え? 当たんないの?
ヒューマ:自動失敗だよ! 当たんねーよ!(笑)
ドリル:何言ってんだよ(笑)。
ティファーラ:あ~ははははは(嬉)。
ヒューマ:何、嬉しそうな顔してんだよ!
GM:ホント、なんで嬉しそうなんだよ!?
ティファーラ:だって50点もらったから~。
この自動失敗=経験値50点というシステムは一体誰が考えたのか。
本来、「自動失敗」→「雰囲気↓」→「事故プレイヤーのテンション↓」となるところ、(少なくとも)「事故プレイヤーのテンション↑」が確約されるというのは素晴らしいと言える。
しかし、この結果、プレイヤーたちが「俺、自動失敗だけで『セージ』取るわ!」「私、自動失敗分でソーサラーの技能を上げる!」などと言い出し、ちょっとアレな感じになってしまうのはどうかと思うが。
……でも欲しいよね! 経験点!
関係ないところで、どんどん自動失敗したい!
俺……自動失敗だけで500点貯めたらセージ取るんだ……!(フラグ)
GM:ではまた先制判定を。11以上だよ。
一同:……(コロコロ)……あー。
GM:ではこちらから。ではディーラは対象を変えて……HFOに「魅了」! 精神力抵抗で11以上。
ヒューマ:とりゃあ……(コロコロ)……あ、余裕で成功。「ハハハ、俺は人間の女にしか興味がないんだぁぁぁ!」
ティファーラ:キモッッッ!
ヒューマ:「俺は小っちゃい子にしか興味がないんだ!」
ティファーラ&マリリン:キモッッッ!
GM:フレイムイーターは……(コロコロ)……あ、ドワーフに攻撃したからもういいわ。効かないし。炎。ではPCの番。
ドリル:じゃ、やっちゃう? フレイムイーター。
ヒューマ:まあ、偉そうなこと言ってるけど、マリリン以外当たってないけどね。
マリリン:じゃあ、私からいっきまーす! ……(コロコロ)……12。
GM:あたり。ダメージを。
マリリン:……(コロコロ)……8だからー。12ダメージ。
GM:ハイ、死亡しました。「ぐばちゃ!」
ティファーラ:わーい! やったねー! イエーーーイ!
ヒューマ:いや、お前は何もやってないだろ!? じゃあ、ディーラに攻撃。……(コロコロ)……13です。
GM:おーギリあたり。
ヒューマ:あ、《全力攻撃》ね。
GM:ダメでしょ? どう考えても。当たってから宣言するとか。
ヒューマ:あー……。まあ、そっか。ダメージ……(コロコロ)……10。クリティカル!……(コロコロ)……。
GM:ハイ、10と5。終了。
ヒューマ:何だよ、感じ悪いな。えーと13点。
GM:防護点を引いて……まあ、痛いけど生きてるよ。
ドリル:移動して尻尾で《牽制攻撃》。……(コロコロ)……13。当たった! ダメージは……(コロコロ)……5点。
GM:死ぬ死ぬ! でも生きてる!
ティファーラ:じゃあ、いくよー! 【何とかボルト】!
ヒューマ:何だよ、その【何とかボルト】って。
ティファーラ:【ウナギーボルト】!
GM:【エネルギー・ボルト】です! はい振って!
ティファーラ:【エネルギー・ボルト】~! ……(コロコロ)……17。(GM:あたり)ダメージは……(コロコロ)……8点。
GM:ドバサッ! ディーラは地上に落ちます。
ヒューマ:では淡々とコイツらから剥ぎます。何か持ってるんだよね?
ティファーラ:間違いなく羽根は持っている。(←鬼畜)
マリリン:それって、技能によって有利とかあるの?
GM:《戦闘特技》とかでそういう効果があるのもある。「ドロップ品に+1」とかね。
ドリル:そんなのもあるの? ほしー!
GM:誰でもいいから振ってー。フレイムイーターから。
ドリル:はい! ……(コロコロ)……4。
GM:はい、自動習得の「炎の羽根」。50ガメル相当。
ヒューマ:「自動習得」とわざわざ言うところに悪意を感じる。
GM:次、ディーラの分。
ヒューマ:おし! ……(コロコロ)……8。
GM:なんもなし。
ヒューマ:え? 何、「なんもなし」って。
GM:ディーラはね、当たり外れが大きいんだよ。
初陣を無事に飾ったパーティの面々。
大した損害もなかったが、大した戦利品もなく。
ティファーラだけが経験点100点をゲットして終わった。(羨ましい)
ヒューマ:ところで赤い宝石は?
GM:ああ、「ガラクタの山」のことを忘れてなかったんだね。
ヒューマ:探すよ! 赤い宝石を! ほかのモノも!
マリリン:ガラクタの山を探そう!
GM:では調べる人がいれば「探索」判定を。使える技能は「レンジャー」か「スカウト」。目標値は11。
一同:……(コロコロ)……。
なんと!
YDK(やればできる子)のドリルがここで達成値14を叩き出す!
高まる期待!
GM:はい。見つかったのは、若い女の死体。
ティファーラ&マリリン:えー……。
GM:そのすぐ近くには若い男の死体も。
ヒューマ:あんま価値なさそうだな。服に価値があるのか?
マリリン:えー?
GM:で、あなたが気になったのは、若い女の死体の腕に巻かれたハンカチ。これが気になります。
ヒューマ:お! じゃあそこに【センス・マジック】とかしてよー。
ティファーラ:おー。じゃあ、そこに【何とかマジック】しまーす!
ヒューマ:「何とか」とかいうのヤメロ。
GM:【センス・マジック】。
ヒューマ:ウチのソーサラー、ちょっとフワッとした感じすぎると思うんだけど。魔法に対して。
ティファーラ:【センス・マジック】~! MP1だよ。あ、これも使うのに判定いるの?
GM:はい。あ、いや、いいや。ホントはいるけど。その度に「自動失敗で50てーん」とかやられたらたまったもんじゃないから。MP1だし。今回は成功でいいよ。はい、マジックはないようです。
ドリル:じゃあ確認しよう。
GM:了解。そうすると、ハンカチには気になる図柄がありますね。
ティファーラ:ハンカチに?
GM:そうハンカチに。「蜂」の図柄が入っていますね。妙に気になります。
ヒューマ:さあ、セージの出番だよ!
ティファーラ:………。
マリリン:ティファーラ!
ティファーラ:え? 私?
GM:セージですよね?
ティファーラ:あー。てっきりセージさんを呼んでるかと思った。
ヒューマ:この中に「セージさん」という名前の人はいませんよね?
ティファーラ:もー。セージさんて呼ばないでよ。わかんないからー。じゃあ、ヒューマのこと「ポーション」って呼ぶよ?(怒)。まあ、いいわ。
GM:ではセージ判定を。
ティファーラ:うおりゃぁあ! ……(コロコロ)……14。
GM:残念ながら思い浮かびません。おそらく、この霧の街ならば意味がある図柄なのかもしれません。
ヒューマ:よし、では若い男を……。
ティファーラ:ハイッッ!
ドリル:ボクが見つけたんです!
GM:男の方は、特に気になる持ち物は持っていないよ。腐敗臭がするくらいに腐っていて、抵抗したものの獣に体を食いちぎられているね。
ヒューマ:お金も!?
GM:奴隷はお金を持っていません。
ヒューマ:え? 奴隷なの?
GM:さあ。特に首輪はしていませんけど。
ヒューマ:じゃあ、浮民か。「ハッッ! 浮民か! どおりで何も持っていないワケだ! ハハハハハ!」
ティファーラ:何か、ものスゴい順応してるね。この街に。
一同:(笑)。
マリリン:もう「ヒューマン・ファイター・男」じゃなくて「ヒューマン・ファイター・奴隷」でいいんじゃないの?
GM:「HFD」か(笑)。それはそうと、これ以上ここにいて探してもいいけれど、時間が経ってどんどん暗くなっていくよ。
ティファーラ:ヤバイよー。帰ろうよー。
ヒューマ:じゃあ、移動しよう。結局、ここは骨だらけだったけど、『骨の川』ではなかったと。行ける方向は?
GM:どちらにも行けますよ。
ヒューマ:うーん。じゃあ北に向かおう。
こうしてパーティ初の戦闘は無事に終わったが、戦利品は「炎の羽根(50ガメル相当)」と「蜂の刺繍入りのハンカチ(価値不明)」しかない。
もっと宝が欲しいよ!
そんでもってバザール様のテントで買い物をするんだから!
こんなとこで死んでいる浮民のカップルと一緒にしないでくれ!
そう、俺たちだけは他のヤツらとは違うんだ!(叫)
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