第11話
大神さんと一緒に行くことにはなったものの、なんか気まずい。俺から話しかけようかと思ったけど、そんな勇気ないし。そもそも、なんで俺のこと見てたんだ?
「あの、先輩はMなんですか?」
突然、大神さんはそんな質問をしてきた。正直、どうして今なんだ?。それに聞いてきたということは俺のことMだと思っているのか?どこをどうみたらMに見えるんだ?
「ご、ごめんなさい。あの、先輩がサキュバスに〇液を搾られるのを想像したら、Mなのかなと思いまして…」
大神さんは恥ずかしそうに顔を真っ赤にしている。大神さんってよく顔を真っ赤にするよな。それに、意外とそういう系に詳しいし、言えるし。まだ、恥があるから変な疑いはできないけど。
くだらない話をしているといつの間にか北校舎の二階に着いた。光が差し込んでいない廊下には足音ひとつも聞こえない。誰かがいるとは到底思えない。きっと、こんな中でやったら余計に響くだろう。
「あ、あ~ん」
少し歩くと甘ったるい声が響き渡る。おそらくカップルがセッ〇スしているんだろう。俺は、少し期待をしていた。
「ここのトイレです」
甘ったるい声がこの男子トイレから聞こえてくる。俺は、もっと近くに見てみたいと入ろうとする。
「あの、私はここで待ってます」
大神さんはそう言って座り込む。おそらく、俺がいなくなった隙に隣の女子トイレでオ〇ニーをするのだろう。
「せっかく来たんだから一緒に行こうよ」
俺は、気持ちが高まっていた。
「でも、私は案内するために来たんですし…」
俺は、大神さんの腕を掴み男子トイレに入ろうとする。
「や、やめてください。これじゃあ、私達、今からセッ〇スするみたいじゃないですか!」
大神さんは俺の手を振りほどく。
「は?」
「せ、性欲溜まっているからってそんなこと…」
大神さんは必死に言い訳しているが、俺にはついていけなかった。
「まぁ、いいや」
俺は、一人で入っていった。
男子トイレの個室はすべて閉まっていた。声がするのは、奥にあるほうだ。なら、手前のほうは?リリスが入っているのか?俺は、手前の個室に耳を近づける。やはり、何も聞こえなかった。ノックをしようとしたが、隣のカップルに睨まれるのも嫌だし、それにもし普通に用を足しているだけなら申し訳ないからやめた。
しばらくすると、声は止み息づかいしか聞こえなくなった。あのカップルは、数分後に個室から出て何事もなかったかのように男子トイレを去った。しかし、俺の前にある個室からは誰も出てこなかった。
キーンコーンカーンコーン。
そして昼休みが終わるチャイムがなり響いた。
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