第10話
ヤバいヤバいヤバい。リリスが俺のそばからいなくなってしまった。これは本当にヤバい。俺は、まだ良かった方だが、俺以上の童貞にとってみたら癖になるくらいあれは気持ちいいのだ。俺もそうだったけど。俺としちゃ、いいおかずって思っているが別に失ったからって寂しいとか残念はがってはいない。でも、リリスが他の人の〇液をもらいに行くということは危ないことだ。
そういえば、さっきから誰かに見られているような気がする。こんなときに誰だよ、全く。俺は、辺りを見渡してみる。あれ、一番遠くの柱に背の高い女が見える。胸はそこそこだ。それに目があった。相手は反射的に反らす。女は意を決したのか俺の方に近づいてくる。俺は、どこか怖くなって身構えた。
「あの、あなたには見えるんですか?」
いきなり、そんなことを言われて俺はキョトンとしてしまった。
「さっき、出ていったのってサキュバスですよね?」
「ああ、はい」
こいつ、リリスが見えるのか?それって霊感があるってことだよな。なら、もしかして会話も全部聞いたのか。恐ろしいな。
「私、2年B組の大神ルナと申します」
年下だった。パット見、同い年かと思った。
「盗み聞きするつもりはなかったんです。すみません。でも、」
大神さんは、照れながらいい始める。処女っぽそうだしな。
「サキュバスを含む魔物は我慢なんて効きませんよ」
最終的には顔を真っ赤にして俺に言ってくる。大神さんは湯を沸かせられそうなくらい真っ赤。そ、そんなにか?
「た、たしかに学校でえーとそのーせ、〇液を接種するのは難しいと思いますが、お互いにとって損なんてないと思います」
顔を真っ赤にして言うのは説得力ないけど、大神さんは俺に学校でしこれと言っているのか。大神さんは、学校でしこるのが恥ずかしいことかわかっているのか。俺みたいな陰キャがしこったらバカにされるかもしれない。その危険を大神さんはわかっているのか。
「あの、こんなこと言うのなんなんですけど、二階の北校舎の男子トイレはそういう一人&二人用のスポットなんですよ」
は?こいつ何言ってんだ。学校にセッ〇ス専用の場所があるだって?たしかに北校舎は滅多に人が通らない。北校舎二階は理科実験室や美術室や図書室がある。俺の勝手な思い込みだが性欲ヤバそうな人達が好きそうな教科ばかりだ。その間にあるトイレだから我慢できない人がいてもおかしくないかもだが。しかも、なんでそんなこと知っているんだ?
「一応、女子もヤってますけど、男子のほうがすごいですよ。音がすごく聞こえるので」
やたら、詳しいな。もしや、ヤってるな。俺は、そんな目で大神さんを見る。
「ち、違いますよ。私は、そんなこと…」
あ、やっぱこいつヤってんな。なんだろう、高ぶってきた。
「なんなら、一緒に行きますか?」
俺は、一瞬迷った。リリスを探しに行くのはいいのだが、大神さんと一緒に行くのはちょっと。
「あ、ごめんなさい。迷惑ですよね。気にしないでください」
いや、この子のことがなんか気になる。いろんな意味で。だから…
「わかった。なら、お願い」
俺は、パンを食べきり立ち上がった。
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