俺は最初、こういう女は苦手だな、って苦手意識があった。
それが今になったら、かなり薄れてきた。
不倫でゆりちゃんも成長したんじゃない?というかさ、「不倫するからには、その計算高さ」みたいな自分に対する言い訳のようなものというのが明らかになって、それで、すっと抜けた気がする。
「真に計算高い」ってあんまり実はないというか。
何か、後ろめたい関係だから、そうやってお金をせびってやろう的なしたたかさというものの、ある一種の代償だね。自分が傷つくというのは。
そうなって初めて、本当に純粋になれたと言うか、本当に芯から純粋だった自分に気づいたと言うか。
カタいばっかりの杓子定規な女じゃなく、懐が広くなったと思うよ、ゆりちゃんはこれで。そういう意味で、苦手意識が少し薄れたというか。
真面目でカタいだけだと、一緒にいて息が詰まる。ある程度、許容がないとね。
貴之も余裕がなかったのだから、今になって妻に去っていかれて、学んで、再婚せずとも、こんなふうに付き合うというのは良いことだと思う。これからどう関係するかというのでなく。
人間関係というのは、全て白日の下に晒せるようなものでない。それで良いと思う。
作者からの返信
岬さん、ユリちゃん苦手でしたもんね。なのにここまで付き合って下さって嬉しいです。
ユリちゃんは計算高くあろうとしますが失敗するキャラでもありますね。結局、思うように自分をコントロールできていなくて泥臭いところがあるのかもしれません。
懐が広くなった、と表現していただけるのは嬉しいです。彼女は綺麗な生き方をして、恥じるところのないキャラクターとは言えませんが、落ちて汚れて、挫折を味わっているからこそ気付けたり、経験できることもあるのだと思います。
ユッキー、ここまで来てビールかよ! と思ってしまいました。
わたしも小洒落た店で「ワイン飲む?」と聞かれて、つい「えーと…カシスオレンジ」と答えたあの日のことを思い出してしまいました。
作者からの返信
そうですね、ある意味ユッキーはブレませんね。
「えーと・・・カシスオレンジ」はなんちゅうかカワイイ系炸裂ですね。甘そうです・・・^^