第17話 カメコと呼ばれるおじさんたち 未完成

年に一度のコスプレイベントが行われるこの日

男尊女卑法施行前からも存在した、首から一眼レフカメラを提げてアイドルを追いかけるカメコと呼ばれるおじさん達がここには沢山いる。


今回のイベントは男尊女卑法施行以来初のイベントということもあり、あらゆる方面から注目のされるイベントなだけあり、主催者も参加者もほかのイベントに比べて多く

他のイベント等でも禁止されていた撮影も男尊女卑法施行以降は、撮影を頼まれれば簡単には拒否できない風潮ができてきたりと、時代の狭間にいる時期のこのイベントは今後の男尊女卑法を大きく決定するといっても過言ではなかった。


このイベントに参加できるトップアイドルのような高値の花には強靭なマネージャーやかばん持ちやボディーガード等が付き、簡単には近づけないようになった一方。

一般参加の女性コスプレイヤー達の人権は以前よりも低く扱われるようになった。

それにも関わらず女性レイヤーの参加者は増加し、若者率が更に高まったのも驚いた。

若者はコスプレへの抵抗や、ゲームやアニメへの偏見が無いものも多く、肌を露出して性的に人気を得ている自覚は殆どなく。股や胸の秘部さえ見えてなければ大丈夫といわんばかりのきわどい露出を晒す女性も多かった。


もしかすると義務教育中なのでは?と思わせるような人が、短いスカートを履いて街を歩くと、額に汗を浮かべた大人に撮影をお願いされる。

カメラに笑顔を向けると「かわいいね」といって自己肯定感を高めてくれる。

彼らは撮れた写真を見せてくれる。もれなくすごい画質で撮られているのがわかる。

「もしよかったら〇ペイやってる?ちょっと下から撮らせてくれたら…」

QRコードを見せて3000円受け取ったことを確認すると、彼のカメラが私のスカート内を写すことを許可した。

パンチラの撮影の相場は1000~2000だったので、私は少し肯定感が高まった。


大人の男性達の行動や言動は徐々にヒートアップしていったし

女性レイヤー達もそれに応えるように、際どい恰好に挑戦するのが流行りのようにもなり

露出の少ないレイヤーには、人が寄り付かなくなる傾向は昔から変わらなかった。

承認欲求の高い女性程露出に走る傾向にあった。

大体の女性のSNSには水着画像が載せられているほどに。


彼女たちが掲示するQRコードを読み込めばSNSの把握は簡単に出来る時代で

彼女らもフォロワーを増やすために日常を晒し、今は布一枚で隠された恥部を大胆にも武器にしている。

とはいえ、水着や下着姿を意味なく載せているのは映えるものではない

そのため夏になれば露出の高い服装をして海などに出かけ、下着姿を思わせるように水着を着て写真を撮ったりもした。

一方で夏が終わると露出の機会もぐっと下がってしまう。

そのため夏には海水浴場で泳ぎもしないのに水着でいるような女性たちの大半も、このイベントに集って、何かしらの衣装に身をつつみ、男性達からの評価を得ようと必死だった。

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