第5話■部下からの復讐

■部下からの復讐

私は部下に呼び出され向かった、応接間の前で一度立ち止まり、大きく深呼吸した。

これまでとは違う異様な空気が、ドアを開ける前から伝わってきたが、意を決してドアをノックした。

部下は立場もわきまえず、当然のように上座に座っていたが、それも見慣れた日常になってきていた。

私が下座へ腰を下ろすと、彼は足を組みなおし

「遅かったですね。佐々木先輩」と敬意のかけらもない挨拶で私を迎えた。

「ちょっと今仕事が立て込んでてバタバタしてるの、早急に終わらせてくれない?なんの件で呼び出したの?」

「あぁ、それは先輩に謝罪していただきたくてですね。」

「謝罪?なんのことを話してるの?」

私は、彼が何を言いたかったのか、全く理解できなかった。

「ほら、僕が新入社員だったころ、遅刻した僕を厳しく叱られたじゃないですか?あの時クリアファイルで肩叩かれたんですよ。あれは痛いとかそういうんじゃなくて、僕の心に傷がいつまでも残っているというか。なんというか…」

彼はこの忙しい時期に、何を言っているんだろうとも思ったが、ここで説教をわざわざするのもバカバカしかった。何よりも時間の無駄だった為、私は潔く謝罪することを決めた。

「はい。その度は大変不快な思いをさせてしまい申し訳ございませんでした。本当にすみませんでした。」

適当に謝罪しては、言いがかりをつけられる可能性があったので、ビジネスマナーとしての模範となるような謝罪を部下に行ったが、彼は私の心の一部削がれことは、気にも留めず更なる要求をおこなってきた。

「いやいや、先輩ー。今は昔の時代とは違うんですよ?」私は内心、彼が何を言ってるのかわからなかった、いや、無意識にわかろうとしなかった。「土下座してくださいよ土下座。ほら、女性が男に謝罪する時は土下座が当たり前じゃないでしたっけ?しっかり時代の流れについてきてくださいよ。せ、ん、ぱ、い。」

私は唇を強く噛みしめ、拳を固く握りながらも膝を地面につけた。

膝が地面の冷たさがこれは夢で無い事を認識させられた。

心のどこかでこのような事態を予測していたが、それでもショックはごまかせなかった。

しかも、その仕打ちをこの前まで叱責していた部下から受けるなんて、想像もしていなかった。

私は床に手をつき、頭を下げた時間は、とてもゆっくり流れていくのを感じた。

早く過ぎ去ってしまいたいはずなのに、皮肉にも時が経つのは遅い。それでいて馬鹿な部下からの嘲笑が耳の中でこだましていた。

頭の前で彼がしゃがむ気配を感じた。

「顔をあげてください」顔を上げると彼はしゃがんで正座している私の顔を覗き込むように見つめた。「女と男の違いわからせてあげましょうか?ん?」

「やめてくださいっ!!」つい敬語を使ってしまった自分にも驚いたが、私が見ている部下はいつもの彼では無く、確実に男のスイッチの入ってしまった彼だった。

「じゃあ脱いで謝ってくださいよ。」

「へっ、、何を・・・なんのこと・・?」起きている現実を受け止めたくない思い出いっぱいだった。

「んー、わかんないんだったらー…手伝いますねっ!」

彼はいきなり私の肩を両手で強く押し、私をのけぞらせるとスカートの中に手を入れて、無理やりストッキングと下着をひざ下まで下げられた。

私の理解が追いついたとき、彼の指は私をの体内を侵略しようとしはじめていた。

自分の陰部に手が多いかぶさり、毛が触れられてることが股間から強く頭に伝わる。

「ごめんなさいは?」男性のたくましい指が陰毛を強くなでた。私は部下に股を直接触れられていることに驚きつつも、少しばかり失禁してしまった。私は素直に謝ることしかできなかった。


彼は私が漏らしたことを勿論見逃さなかった。

「ふっ」と軽く鼻で笑うと、私の失禁で濡れた手をお尻で拭くようにすると、割目の谷間へも手を伸ばした。

不覚にも、彼の指が浸蝕してくる感覚が快感と快楽に変わりかけたときに彼は手を離した。

「じゃあ…、下着僕にくれませんか?ねぇ、先輩?ほら謝りながらですよ?」

小刻みに震える膝をあげてストッキングとパンツを脱いだ。

これまで私の恥部を隠し守ってくれていた薄い生地がなくなるだけで、こんなに風が冷たく感じるなんて知らなかった。

彼に差し出した。

「・・・も、、申し訳ございませんでした。。」精一杯絞り出した私の声は、みすぼらしいほどにかすれていた。それには一切気にも留めない彼は、下着を凝視しながらにやけた口調で

「次ふざけた謝り方したら、真面目におかすんで。気を付けてくださいね。」

私は声を震えさせながら「はい・・・」としか言えない自分の無力さを身をもって知った。




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