第4話 ■社内規定変更後の男尊女卑社会での日常
社内規定が変更された翌日
すけべ心にまみれた年配の大人達からのセクハラ的な言動は以前よりも酷さを増していた。
社会としてもこの程度のことは予想されていたし、なによりも男性たちの社内満足度が向上していた為、この結果には株主や数多くのクライアント様からの評価も得ているという事実もあった。
すれ違いざまにお尻を触られたり、酷いものになると胸を鷲掴みにされるような肉体的痴漢は日常茶飯事となり、エレベーター内で男性と二人きり、もしくは女性の数以上に男性の数が多い場合には緊張感が走るようになったが。男性側のストレスを持つ心理と生物学的な欲求の一部と無理やり理解することで、このような環境に慣れようとしていた。
会社側からの提案で、一部の女子社員には給与が上がる条件として提示された業務内容もいくつかあり、中には
「女子社員は勤務中は会社から貸していただいた下着を着用し、それを退社時に返却する」といったような特殊な制服規定や
「宴会時に男性社員を楽しませる芸を披露し、接待中での自我は慎むこと」
「社員の生活リズムを把握するために、自宅の各部屋に監視カメラを設置しオンライン配信すること」等
精神的、肉体的、プライバシーを奪うような内容がそこには並んでいて、これらは義務ではなくて任意ですれば会社からの恩恵を受けられるというものであり、他にも様々な内容が記入されていた。
実際に恩恵で頂ける報酬額は高額で一部の同僚の中には、所詮お金目当ての副業感覚といった調子で宴会芸を披露する同僚や、私生活の一部を男性達にさらす先輩達を目の当たりにもしてきた。
私は決してその部類には、くくられたくは無かった。
私は身体で勝負をするんでは無くて、知能で勝負している。
時にビッチなどと呼ばれる女性も増えたのは事実だが、私はそこに属していないというプライドだけは持ち続けた。
しかし時が経つにつれて、麻痺する感覚があるのも事実で、男性を偽っているつもりの作り笑顔ですら、男性のためのもののようになり、ごまかしの日常が当たり前の日常になり。
重ねられる男性からの圧には、唇を噛み締めた悔しさも次第に薄れていった。
やがて私自身の美貌も保ち続ける事は不可能なことに気づいていく。
一時的なプライドの為に、財産構築の機会を逃してもいいのか?
自分はこの歳だから様々な業務内容を提案されているが、あと10年いや5年も経てばどうなることだろう?
そう思うと、これまで見下していた女性達の行動に理解を示すようになり
誰もやりたがらないことを率先して、そして男性の活性に繋がる立派な社会貢献をしている彼女たちに尊敬の念を持つことも次第に増えてきた。
そんなある日私は部下の男性社員に呼び出された。
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