3-4 大賢者様

「私の、私のユニークスキルが」


「大丈夫?テルネのスキルに何があったの!?」

「ユニークスキルに何かあったんですか、大丈夫ですか?」


「私のユニークスキル、本当に大賢者なのよ。読めるようになったの!」


日本語じゃなくなったんだ。

「良かった、本当に良かった。何で急に読めるようになったの?」


「それはね、私が時空魔法を覚えたら私のユニークスキルが覚醒したのよ。

でも、まだ見えないところもあるわね」


覚醒、宝玉以外でも覚醒するんだね

「まだ見えないところがあるんだ、見せてもらえたりする?」


「うん」


テルネ

ユニークスキル

大賢者(覚醒1)


覚醒1か、覚醒2とかもあるのかな

「テルネ、本当に良かったね。」


「本当に良かったわ」


「あのー、すいません。私、とても混乱しているんですけど。テルネちゃんは大賢者様なのですか?」


「ごめん。言ってなかったね、テルネのスキルは大賢者なんだよね。

ところで大賢者様? 何で様付けなの?」


「えっ、あの大賢者様ですよ。あの伝説の存在ですよ、様なしでは言えません。

あっ、テルネちゃんもテルネ様って呼んだ方がいいですよね」


「シリカちゃん。実は私自身も私のユニークスキルが大賢者という事は分からなかったの。だから私はユニークスキルのことを話さなかったの、ごめんなさい。でも、様付けはやめてほしいわ。今まで通りのテルネちゃんかテルネって呼び捨てにして」


僕ってなんかダメなんだよな。こうやってテルネとシリカが話してる時、存在感が無くなるし、なんて言っていいかも分からないし。


「そうですよね、私が変でしたよね。でも本当に驚きです、まさかテルネちゃんがあの大賢者様だなんて」


そして

僕とテルネは冒険者ギルドに、シリカは用事があるらしくここで別れた。


「すいません。ギルド長はいらっしゃいますか? 魔導書とテルネのスキルの件で伺いに来ました」


「ギルド長ですね。すぐに読んできます、あとお土産ありがとうございます。美味しくいただきました」


良かった、喜んでもらえて。


「お待たせ。裕翔君、テルネちゃん。

奥の個室に来てくれるかしら」


ギルド長、なんか凄い疲れてる気がする


「お疲れ様です。ギルド長、大変そうですね」


「えぇ、本当にたいへ


「違いますよ、ギルド長のせいです。

ギルド長は裕翔君のお土産を独り占めにしようとしたのです。

それに気づいた私が…この後は想像にお任せします」


「あはは、そうなんですね。僕たちは奥の部屋に行きますねー」


そして個室に

「裕翔君、魔導書は預かったわよ。それでテルネちゃんのユニークスキルに何かあったのかな?」


「はい、とても嬉しい変化です。見てください」


ギルド長、凄いな。何もなかったかのように話が出来て。


「賢者様の言った通りですね、本当に世界にとって大切な存在です。

このことを知っているのは誰?」


「僕とシリカです」


「シリカちゃんね、シリカちゃんはチームだから良いわ。

でもこの事は他言無用よ」

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