3-3 帰還

とりあえず僕がやる事は依頼完了の報告とこの魔導書を渡しに行くことかな。


着いたー!、冒険者ギルド。なんか久々な感じがする。


「こんにちは、依頼の完了を報告しに来ました。あと、ギルド長にこの魔導書を渡せてもらえますか?」


「依頼の完了を承りました。魔導書はギルド長を呼んでくるので待っていてください」


魔導書は貴重な物なのかな?


「こんにちは、裕翔くん。手紙を渡してくれたそうね。それで今回は魔導書ね、連絡は受けているわよ」


連絡?

「連絡って何ですか?」


「私はアイツと遠距離でも連絡を取れる魔法を持っているのよ」


「そうなんですか。じゃあ、なぜ僕は手紙を渡したのですか?」


「ふふふっ、色々あるのよ。それより本題に戻すわよ。その魔導書は一度、テルネちゃんに渡してくれないかしら。」


「テルネにですか、分かりました」


「あと、裕翔くん。他にも渡すものがあるんじゃないの?」


他に?

「えっとー、すいません。わかりません」


「君が行った街はどんな街だったけ?

私、最近疲れちゃって甘いものが食べたいのよ」


あっ、お土産か

「お土産ですね。じゃあ受付の人の分も一緒に渡しておきますね」


とりあえず、ギルドでやる事は終わったかな。

この後はテルネとシリカに会うだけだ。


「2人とも久しぶり、これお土産」


「久しぶり、ユウト。聞いて驚きなさい、魔法を4つも覚えたわ。どう?すごいでしょ」


凄い、のかな

「うん、凄いと思う。あっ、そうだ。

テルネには後で渡すものがあるから」


「ユウトくん、ユウトくんの装備がこれです。もうテルネちゃんには渡してあります」


凄い、カッコいい!

「ありがとう、凄いよ。えーっと、お金はどれくらい払えばいいのかな?」


「お金ですか、考えてませんでした。

決まったら伝えます」


テルネが笑ってる、なんでだろ?

「2人ともさ、お土産大丈夫かな?

適当に買ってきたんだけど」


「大丈夫に決まってるじゃない。

スイーツよ。私、甘いもの大好きなの。ありがとう」


「私も嬉しいです。甘いものはあまり食べれないので本当にありがとうございます」


2人とも好きなんだ

「それは良かったよ」


「ところでユウト、私に渡すものって何なの?」


あー、

「この魔導書のこと。ギルド長が渡して欲しいって、読んでみてよ」


「分かったわ、読んでみるわ。

…ユウト。私、これ読めないわ。字が読めないもの」


「ごめん、忘れてた。それは時空魔法って書いてある」


「時空魔法?初めて聞く名前の魔法だわ。読んでみるわね」


テルネ!?

「どうしたの、テルネ。何で泣いてるの?」


「どうしたんですか、テルネちゃん。何があったんですか?」


もしかして、初めて魔法を覚えられなくて悔しいのかな?

「魔法を覚えられなかったの?僕なんて無属性魔法だけしか覚えられなかったから大丈夫だよ」

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