間話 ギルド長の苦難

はぁー、ギルド長ってこんなに大変な役職だったのね。


いや、他のギルドならもっと楽なはずよね。あの3人組がいないから


1人目は一番最初にこの街に来た兎の獣人のシリカちゃん私と同じ名前なのよね、そこは普通よ。ただ、あの子のユニークスキルも謎なのよね。よく分からなかったわ。


でも、あの子のスキルは凄いものになる気がするわ、覚醒前と書いてあったからね。他の人にはそれが見えないから良くない待遇だったみたいだけど仲間ができて良かったわ。


そして、シリカちゃんの友達であり、仲間であるテルネちゃんも変わったユニークスキルだったのよね。私でも見えないスキル、あまり良いスキルではないと本人は言っていたけど。


でも、まさか。あの賢者様のお孫さんだったなんて。


賢者様が私に会いに来たときはとても驚いたわね。


賢者様は私にこう言い残してきたのよ

「クーステスのお嬢さん、私の孫をよろしく頼むよ。あの子はこの世界にとって大切な存在だからね」


この世界にとって大切な存在を私に預けないでよと思ってしまったわ、私には荷が重すぎるわ。


そんなシリカちゃんとテルネちゃんを仲間に引き入れた人物。


富田裕翔、彼は本当にイレギュラーな存在ね。ユニークスキルがないこともそうだけどあの異常なLUCもおかしいわよ。


まぁ、でもこれは嬉しい大変さなんだけどね。

だってあのスキルの書の謎を解明できたのよ。あの子は平然としてたけどね。


あの子の運の良さで使えるスキルの書でもドロップしたのかなと思って個室に呼んだのよ。


そしたら、

皆と同じ謎のあのスキルの書を出したから少しがっかりしたのよね。

この子でもダメだったのかって、でもそしたら全然違ったわ。


あの子は

「このスキルの書のスキル名が分かります。そしてその名前はギャンブルです」


私はとても慌てたわ。だってね、誰だってそうなるわよ。


そのあと、私はこの事を公表したわ。

ちゃんと2人の名前以外は包み隠さずにね。

ただ、殆どが私の功績みたいになってしまったけど


その事を話したら、あの子たちなんて言ったと思う? 


2人とも"わかりました"の一言よ。

本当にもう、凄い子達よね。


コンコン

「ギルド長、報告があります」


「はい」


「心して聞いてください」


何よ、この間のスキル書を超えるとは思えないけど

「分かりました、何ですか?」


「ウィルミニダンジョン、通称レベルダンジョンのボス部屋が開かれました」


へっ?聞き間違いですよね

「聞き間違えたようなのでもう一度お願いします」


「ウィルミニダンジョン、通称レベルダンジョンのボス部屋が開かれました」


聞き間違いじゃないのね

「それは本当なの? だってあのダンジョンは…」


「まだ、確認はしていませんが。本当の確率が高いです。報告者があの3人組です」


「分かりました、ひとまず1人にしてください」


「はい、失礼しました」


えぇー!! あのダンジョンが、あの何千年もの間、開いていないと言われているあの扉が開いたの。


まずは確認しに行かないといけないわね

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