間話 私はただのテルネ 前

私はテルネ、ただのテルネ。


今はFランク冒険者だけど、SまでとはいかなくてもAランクにはなりたいな。


さっきは、ただのテルネって言ったけど本当の名前はテレサンネ・ウェルタ・テルネ


本当に嫌いな名前。

親からもお前にはこの名前は似合わない、名乗るなってすごく言われた。


そんな親は私のことが嫌いで私を除け者扱いしていたけどおばあちゃんがいたから私は大丈夫だった。

私の唯一の取り柄の火魔法もおばあちゃんから教えてもらった。


なのに、おばあちゃんが突然消えてしまった。

そしたら、親が私に出て行けって…


そもそも、私も出ていくつもりだったからいいんだけどね。

おばあちゃんはすごい魔法使いだから多分、絶対どこかで元気にしていると思う。

でも、ちょっと不安だから探しに行ってあげるの。


明日は、Fランクスキル講習会。


本当に楽しみ、私がもっと強くなれちゃうんだから。


スキル講習会は冒険者ギルドの推薦か

高いお金が必要だったけど、

推薦をもらったから講習会に出れるの。


どんな人たちがいるんだろう? みんな歳上かな? 女の子はいるかな?


早く寝て、明日に備えないと。



もう、朝かー。

けど、早く起きすぎちゃったな。


早いけど、遅れるよりましだからもう行っちゃおう。


「おはようございます」


「おはよう、テルネちゃん。

早いねー、2番目だよ」


「ちょっと早起きしちゃいまして。

えっ、2番目ですか?」


「うん、男の子が先にきてる」


私より早いなんて、どんな子だろ?


あの子だ。

同い年くらいの子だなー。


隣に来ちゃったけど話しかけにくい。どうしよう。

「…」



「よーし、集まってるな。

 ~隣のやつとタッグを組め」


何にも話さない間に始まっちゃった。


「はじめまして、僕はユウトよろしくね」


ユウトって言うんだ。早く返事しないと


「よろしくお願いします

私の名前はテルネです」


はじめましてって言うの忘れちゃった。



そして、下位鑑定を取得し終わり、身体スキルも終わった頃。


ふー、体術lv2になったけど疲れた。

次はなんだろう?


「~次は武器スキルだ」


武器スキル、不安だなー。一回も使ったことないもの。


すごい、ユウトくん。すぐに全部覚えちゃった。


私の番だ。


「ユウトくん 攻撃するね」


「うん、いいよ。思いっきり」


なんとか棒術、剣術、斧術は獲得できたけど。 全然、槍術と弓術が上手くいかない。


槍は重くて長くて上手く持てないし、

弓は上手く矢を飛ばせない。

どうしよう、早くしないと迷惑かかっちゃう。


「テルネさん」


あっ、やばい。 怒っちゃったかな。


「僕も手伝うので職員の人に攻撃を当てましょう。」


えっ、怒らないの?

「うん、ありがとうございます」


「じゃあ、まずは槍からやりましょう」


同い年くらいなのにすごいなー。

槍も片手で持てちゃうんだ。


(槍術を獲得しました)


あっ

「獲得できました。」


「良かったです。 じゃあ弓もやっちゃいましょう」



午前の部が終わったー!

お昼休憩だ。どこで食べようかなー?


「ねぇ、テルネさん。チュトリアダンジョンの場所忘れちゃったから連れてってもらってもいい?」

 

もちろん、良いわよ


「やだ、

呼び捨てで呼んでくれなきゃやだ。 

そしたら連れてくし、一緒にお昼食べにも行きたい」


えっ、私、何言ってるの!

ユウトくんを困らしちゃダメなのに。


「うん、分かったよ、テルネ!、ご飯食べに行こう!」


何食べようかなー? って選べるほどのお金はないんだけどね。いつも通りパンかな?


ユウトは何食べるんだろう


「僕はこのBランチにしようかな、お肉をちょうど食べたかったし」


ランチセット!?


「えっ、ユウトってお金持ちなのね。

私はパン二個かなぁ、」


あっ、やばい。 また、困らせっちゃった。


「いや、えっとー、お金持ちではないんだけど

…あっそうだ。今日は僕がごちそうするよ、チュトリアダンジョンまで案内してもらうから。」


「えっ、本当に!、ありがとー。ユウトと一緒のやつでも良い?」


「もちろん」


久々にお肉食べたなー。 ユウトにありがとうって言わないと。


「ユウト、ありがとう」


「全然、良いよ。なんとかダンジョンにそろそろ、行こっか。」


「チュトリアダンジョンね。行きましょ。」


午後はなんのスキルかなー?


~みんなにはダンジョン一階層のボスを倒して戻ってきてもらう」


えー、うそっ。ボス!?

みんなも同じ反応してる。


でも、そのあとの職員さんの話を聞くと私たちだけでも倒せるということがわかった。


そして、ついに私たちの番。


「じゃあ いってこい」

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