第9話 魔法が使えない!?

今、僕たちは冒険者ギルドに来ている


目的はもちろん、僕たちの魔法適性を調べるために。


隣にいるテルネはずっと上機嫌の様子、それもそのはず昨日、あんなことがあったからね。


僕が彼女のユニークスキルを教えたんだ。

最初、彼女は僕の冗談だと思ってたみたいだけど、僕が日本のことを隠しながらどうにか説明したら、最終的には信じてくれた。 


プレゼントをあげた時よりもすごく泣いちゃって周りの人からすごく見られちゃったけど。


昨日のことはこれまでにして、今からのことに集中しないと。


「ねぇ、テルネ

魔法適性ってどうやって調べるの?」


「本を読むだけよ、適正があれば使えるし、適正が無ければ絶対に使えない。

あっ、でも適正があっても得意不得意があるみたいよ。」


「そうなんだ、ありがとう」


そして、僕たちの番が来た。

「ユウトさん、テルネさん。お待たせしました。 

これから魔法適性検査をします。

こちらの属性魔法の書をお読みください」


「テルネからやる?」


「ユウトからで良いわよ」


「わかった。」


ふー、読み終わった。

「読み終わったよ」


「使えそう?」


「うーん、分からない。使えない気がする」


「一つも? 頭の中に火のイメージとか出てこなかった?」


「出てこない」


「ダケソウクョエ 火球って言ってみて」


「ダケソウクョエ 火球」


「ほんとね、じゃあ火の適性はないみたい。」


「たぶん、他のもないかな。テルネも読みなよ」


「わかった」

「読み終わったわ」


「どうだった?」


「ふふふ、全部使えそうだわ」


「すごい、やってみて」


「ゼケソウクョエ 火球、水球、風球、闇球、光球」


「すごい、本当に全部使えてるよ」


「闇と風は使いにくいけどね」


「それでもすごいよ、ギルドの人のところ行こっか」

「終わりました。」


「分かりました。適性のあった魔法についてこの後、演習実習がありますので再度お待ち下さい」


「「はい」」


「どうしよっか。 ここで待っていようか?」


「待ってなくても大丈夫よ、申し訳ないし。 今日は少し早いけど活動を終わりにしましょう。 

次に会うのは月曜日ね、討伐依頼を受けるわ。

じゃあね。 また月曜日」


「うん、また月曜日に」


はぁ、どうしよっかな

暇になっちゃったな。 それにしても、魔法が使えないなんて。 

でもそこまで落ち込んではないかな。


もともと僕がいたのは魔法のない世界だったし、今はテルネがいるから僕に魔法は必要ないもんね。


宿に戻ってゴロゴロするのも良いけど、テルネが頑張ってるのに自分だけそうするのは嫌だな。

何か安全な依頼がないかギルドの人に聞いてみよう。


「すいません、何か安全な依頼ありませんか?」


「えっーと、少し待ってね。…

あなたにピッタリの依頼があるわ。

冒険者3人組から出ている依頼なんだけど幸運型のユニークスキルを探しているみたい。戦闘とか危険なことはないみたいよ。」


「分かりました。 この書いてあるところに行けば良いんですね」


「その必要はないわ。

そこにいるから。 あの人たちよ」


えー。怖い、でも見た目で判断しちゃいけないからな。よしっ

「すいませーん、依頼を受けたんですけど。 幸運型のユニークスキルを探していらっしゃるって」


「あぁん? そうだそうだ。探してたぞ。 お前をな! 最近、このギルドにラッキー野郎が入ったと聞いてな。 しかも、もうEランクになったと聞いたからな。

俺らが直々にやってあげなきゃいけない事があると思ってな」


あっ、なんかやばい、かも知れない。

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