【28 郷⇒倉 30代を生きるって、どういうことなんだろう】回答。

 倉木にとっての三十代とはどういうものなのか――解答を短編に仕上げて送れれば粋だったのですが、うまくいきませんね。

 こんな風に、執筆活動以外に色々とやることがあって、うまくいかないってのが、三十代です。以上。



 これで解答が終わったら、掲載されたときに自分が許せなくなるでしょうから、もう少し踏み込んで考えていきます。


 これから、自分の作品に登場させる予定の三十代を投影するキャラ(正確には、すでに掲載作品に登場しているし、そいつは二十代なのですが)を掘り下げていきます。メイキングみたいな解答になりそうだ。恥ずかしい。


 三十代ということで頭に浮かんだキーワードを掘り下げていく作業を行います。


 たとえば、キーワードを「持病」と設定する。

 持病に関するエピソードを考えて、キャラクターに深みをもたせていく。

 持病があることを知らなかった三十代の男は、結婚して妻がいなければ、自分の部屋で死んでいた。

 一命をとりとめたものの、これから死ぬまで持病と付き合っていく必要がある。しかも、この病気のせいで体重が増加していく。


 みたいな感じのキーワード・エピソードを考えることで、倉木自身がキャラを知っていく感じですね。続けます。


「老い」

 目に見える老いは、白髪だ。二十代のヤンチャな頃は、ファッションで髪を染めていたのに、いまは白髪染め。実用的。

 髪の毛の色は変えらるのでごまかせるが、髭や鼻毛に混じる白い毛は、見つける度に一本ずつ向き合うようにして抜いていく。


「仕事」

 職場の仲間と仕事に対する温度差を感じる。自分が金を稼ぐための作業と割り切っているのに対し、熱意を持って働くものもいる。ブラック社員がブラック企業を育てるというのを知らないのか。いまの職が初めての仕事ならば、自分も盲目的でいられたのかもしれない。だが、かつて本当にやりたいことで金を得ていた時期があったから、馬鹿にはなれない。

 二十代の輝かしい仕事の思い出が、三十代の仕事を曇らせる。

 もっとも、曇ったままでもこなせるのが、いまの仕事なのだとも言えそうだ。あの頃は、曇っている暇もなかった。

 仕事が占める時間は大きい。仕事のために生きている訳じゃないと考える度に、こうやって、多くの才能が仕事に殺されていったのだろうなと危機感を覚える。家庭は才能を思いもよらぬ形で伸ばすのに、仕事ときたら。


「優先順位」

 時間がないから、やりたいことができない。そう思っていたが、理由はそれだけではないようだ。三十代になって体力が衰えたせいで、体力回復にあてる時間も必要になってきたのだ。そうなると、物事に優先順位をつける工夫が必要になる。

 二十代の頃と比べて、酒の量と麻雀の回数が激減した。浮いた時間で、自分を磨く。手軽さが大切なので、二十代の頃みたいに、嫌いなものに挑戦することも減っていく。

 どうでもいい、どっちでもいいと思っていたことが、三十代になって明確に好きか嫌いかに分けられるようになってきた。迷うことが邪魔。目の前への集中力が散漫になるのが一番駄目だ。

 こんな話を思い出す。洒落た店のBGMに洋楽や歌詞のないものが多いのは、店の雰囲気や取り扱う商品に集中させるためという説があるそうだ。確かに流行曲が店内に流れていたら、潜在的にそっちへ意識がとられそうだ。


「年下と年上」

 三十代。年下と年上、どちらとも関わる立場となり、年齢は関係ないと痛感する。

 自分より若いのに頑張っている人は、応援したくなる。アイドルを推すのも、このくくりだ。自分より年上で頑張っている人がいたら、引っ張られて、負けてられるかと気合が入る。

 残念ながら、逆のパターンもある。もし、仕事場でそんなものに囲まれたら地獄だ。使えない部下と上司。お前らを食わすために、こっちが苦労しなきゃならんのは、なんでだ? あと、クソみたいなガキと老人の客。共通点は想像力の欠如。お前らは、三十代の働いている男をなんだと思ってんだ?


「家庭」

 大事なものができると、無茶できなくなったし、する必要もなくなる。

 新しい家族を拾ってこれるのは、家を守ってくれる人がいるからこそ。

 ここを自身が成長できる場所にすべきなのだ。


「旧友」

 かつての自分を蘇らせる劇薬。取材で得た知識や、金で得たものよりも貴重なものがつまっている。あの頃には価値があったのだと痛感させてくれる。


「夢」

 二十代がそうであったように、三十代は四十代への助走期間だ。

 十代のときが二十代への助走期間というのは、わかりやすい。学校で学んだことが、二十代への就職につながるのだから。二十代もそこまで責任がなく、自由にできるから助走に集中できただろう。

 ただ、三十代ともなれば、これまでよりも知識や教養や常識といったしがらみを厚着しているので、走るのが大変だ。

 それでも四十代に入って高くとぶためには、走るべきなのだ。

 THEイナズマ戦隊の「オマエ・がむしゃら・はい・ジャンプ」が聴きたくなってきた。せっかくなので、これから二番の歌詞を引用して、夢を諦めてたまるかと自らを鼓舞する。


【オマエらしくないぜ 夢半ばじゃねぇか

 強がりでもいいぜ 一直線「オマエ道」進んでいこうや

 生きていく力を 心意気ってどうだ

 ほら中学生が その背中追いかけて

 青春かけた

 30代がむしゃらに情熱燃やせ

 後ろ指さされても気になんかすんな!!

 30代リキんで毎日を張れ

 がむしゃらも悪くねぇぞ

 ジャンプ!!】


 はい、ジャンプ!!



 三十代に関しての、ここまでのキーワードをまとめてみる。

「持病」「老い」「仕事」「優先順位」「年下と年上」「家庭」「旧友」「夢」


 これらを物語に落とし込むと、どんなキャラクターの話になるんでしょうね。

 いままでよりも倉木は三十代になって常識を持ちました。なので、変化球よりも、あくまで王道な受け入れやすいものをとりいれようとは思っています。


 そういや、三十歳まで童貞だと魔法使いになれるそうですね。素人童貞ならば、魔法学校に入学資格があるとかないとか。


 じゃあ、魔法要素も入れてみよう。おそらく、王道的な要素だ。

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