【25 郷⇒倉 岩田屋町の好きなキャラクター10選】回答。

○浅倉隼人


 現時点での掲載作品では「顔のない獣」シリーズの視点人物。名前だけとか、小学生時代とかなら、他の作品にも、ちょろっと登場している。

 カツアゲをされるような中学生だが、惚れた女のためならば、なんでも出来る大馬鹿野郎。幸せになるために、UMAを捕まえなければならないのならば、諦めずにやってのける。

 作品内での成長に比例して、出来ることの幅が増えていく。本人的には、確固たる信念を曲げずに生き続けているだけだが、成長して守れるものと壊せるものが大きくなるのは、他人にとっては脅威でしかないのを気づいていない。この弊害で、郷倉くんのいうところの「純粋さが消失していく」ようにも見えるのでしょうね。


 岩田屋町が生まれた時、最初に主人公として登場させたので、思い入れが強い。なにより、高校時代の倉木が、等身大な高校生を描いたという点だけみても、貴重な財産といえる。

 日記などを残さずに歳を重ねた倉木にとって、浅倉隼人を通して世界を描けば、十代の歪みのようなものを知れますからね。


 UMAが絡んだ話は、全てが浅倉隼人に集約されるようになっています。岩田屋の世界観が拡張しているので、UMA以外の伏線も隼人のところではりたいですね。



○久我遥


 現時点での掲載作品では「顔のない獣」シリーズのメインヒロイン。名前だけとか、小学生時代とかなら、他の作品にも、ちょろっと登場している。特に「西日の中でワルツを踊れ」内で郷倉くんに描かれた遥は、僕には描けなかった小学生像なのでオススメ。

 実家は稲妻禽観神社。巫女として、繁忙期などは家の手伝いをする。ショートカットのため、後ろ髪が束ねられない。

 シングルマザーで、父親が誰か知らない。浅倉家と仲良くしていたから、逆境にも負けず、真っすぐ成長している。幼馴染みの隼人には思うところがあるので、多少のセクハラは許している。


 岩田屋町が生まれた時の最初の主人公・浅倉隼人の幼馴染みとして登場させた。恋愛感情を持っていない二番手ヒロインだったはずが、書いているうちにメインヒロインになっていた。後述する久我朱美(遥の母親)も似たような経緯で「はつこいクレイジー」ではメインヒロインになっている。


 善悪よりも信念を貫く浅倉隼人にとってのバランサー。目に見える良心や、帰るべき日常の象徴でもある。あくまで普通の女性を描こうとしていたが、UMAが仮にいる世界ならば、普通ってなんなのだろう。



○沖田総江


 ボーイミーツガールものとして考えた場合「顔のない獣」シリーズではメインヒロイン――になるはずが、視点人物の好みによっては、そうならないんだよなぁ。「葛藤憚」シリーズで小学生時代も登場して、色々と活躍します。

 父親は巌田屋会系列の極道組織の会長(顔のない獣の時代)。母親の金髪碧眼を受け継いでいる。運動音痴の頭脳派。クールだが、いつになったら、この金髪ポニテはデレるのだろうか。


 もともとは男だったのだが、性別を逆転するだけで、よりよいキャラになった。性別や立場や年齢などなど、逆転させることでキャラクターの深みが増すこともあると、誰かが言っていたのを思い出した。


 物語上、便利な説明キャラ。読者に、いまなにが起こっているのか、これからなにをするのが目標なのかを明確にしてくれる。イメージとしては、これから描く物語のプロットを知ったうえで喋らせている。そのため、一歩間違えれば言葉足らずになり、読者を興ざめさせる可能性もある。うまく使いこなせれば伏線をはるのが楽になるのでも、倉木の力量が試される。



○川島疾風


 色んな作品に登場する。郷倉くんの話では、現段階の掲載作品には、名前だけなら全部だとか。

 情熱乃風という走り屋集団の旗揚げ時から副リーダーとして四輪を転がしてきた。極道組織の巖田屋会で運び屋として雇われた時期があり、車種を選ばずに四輪の運転技術が神がかっている。愛車はMR2というスポーツカーで、二人乗り。彼は、いつだって一人しか守れない。


 前述した浅倉隼人が高校時代に作った貴重な財産だとしたら、疾風は倉木の二十代を象徴する存在。二十代の歪みは、高校生のそれよりも泥臭くなっている。倉木は三十代のいま現在のうちに、三十代のキャラを作り、財産を増やすべきなのだろう。


 疾風は同年代よりも人生経験が豊富で、成功や失敗を繰り返してきた。必死になって勝利を掴めば、最速で逃げるため、周囲の疾風の印象は、あくまでも後ろ姿。

 正面で、どんな顔をしているのか、なにを考えているのかは他人が勝手に想像する。なので、郷倉くんが描くと神や王のように描かれることが多いのかなぁ。

 視点人物になると残念な奴というのは、立派だと思っていた父親が、実は中身が子供だったってのに近いものがある。慕っている連中も、やがて自動車免許をとり、自分で車という城を動かす、誰かにとっての王のようになるのかもしれないのにね。



○星野里菜


 登場作品に関しては、郷倉くんのほうでまとめてくれていたので、割愛。

 本名は空野聖里菜。星野里菜はVシネマの子役時代とAV業界で使っていた芸名。

 行人が主人公の作品「南風に背中を押されて触れる」でも、いい役をもらっている。郷倉くんの話では、年上だと思って行人に説教をしていたみたいですが、倉木が年齢の設定を語ると、びっくりしていましたね。まさかの年下かいって。その驚きがほしかった。

 若くして、とんでもない経歴を持っていますが、全部が全部、家族のためです。色んな経験をこえなければ、射撃能力が高いことに本人は気づけなかったでしょう。


 ギャルの見た目とスナイパーのアンバランスさ加減を描きたかった。スコープにマスカラがつく。ネイルで引き金はひきにくそう。実力を解放するときは、ギャルから地味な感じになるのでしょうね。こういうわかりやすさって、何事にも大事。


 派手めなお姉さんです。空野有の姉って意味合いだけでなく、岩田屋町における、みんなのお姉さんを目指したい。前述した行人への説教から考えるに、年上相手でも姉御肌は発揮されるわけですから可能かと。とはいえ、姉御肌を出さずに別の一面を見せるときもあります。好きな相手の前では、女。女の面は「はつこいクレイジー」で、ちょろっと描かれている。



○久我朱美


 登場作品「顔のない獣」シリーズ 「はつこいクレイジー」 「西日の中でワルツを踊れ」「情熱乃風R」では名前だけは、登場してるかな。

 案外、色々と出演しているのは、川島疾風の最初の恋人だからかな。

 実家では稲妻禽観神社の巫女として働くかたわら、岩田屋町の美容院に務める。川島疾風の後押しがあって、娘の遥を十七歳のときに出産する。結婚目前までいった疾風とは、いろいろなことが重なり、恋人関係が自然消滅。


 疾風のことを嫌いになって関係が終わった訳ではないので、どうせ最後には自分のところに疾風が戻ってくるだろうという、根拠のない自信を持っている。事実、疾風の過去を語る上では欠かせない人物であることから、朱美しか知らない情報を多く握っている。その過去に、信じて疑わないエピソードがあるのだが、語られることはないでしょう。


 掲載作品においては、あまり登場していない子供を持った女性。そのため、誰よりも母性が強い人物として描かれている。いまでは、隣の家の浅倉隼人や浅倉撫子、神社に捨てられた多数の猫の母親代わりをも務めている。



○中谷勇次


 色々と出演。郷倉くんが、こちらもまとめてくれています。なので割愛。

 生まれる時代や世界を間違えたと思えるほどに、喧嘩の強い少年。守田やあずきなどの恵まれた仲間がいなければ、もっと歪んで成長していたでしょう。彼の心が正義に傾いているのは、岩田屋町にとっても幸福なこと。

 これから先、どんどん不幸な目にあっていきます。そもそも、産まれたときから、ある種の罪を背負っているので、いままでも不幸でした。

 どれだけ作中でいじめたとしても、耐えてくれるはず。自らの不幸を嘆くのではなく、最後にはどんな逆境でも笑ってくれるという信頼を持って描いています。


 兄貴分がいなくなった世界で、自らが兄貴分として成長する過程を描くのが「岩田屋葛藤憚」シリーズ。現在、掲載されている作品では、いまのところ視点人物になっていないが、なくてはならない存在。

 誰かが語っていましたが、男性作者は女性視点で小説を描くほうがいいのだとか。

 利点として、女性は男性にとっては普段から観察対象となっているので、意外と描きやすい。確かに、郷倉くんが描く田中あずき視点は素晴らしいものがあったね。

 もうひとつ大きな利点は、たいがいの場合、物語上で異性とのあれこれがある。なので、女性視点だと男性を深く描くことになるんだよね、結局。

 なるほど、そういう考え方もあるんだ。でも、最後に女性視点を描いたのが十年以上前の倉木にとっては関係ない話だな――と思っていましたが「葛藤憚」シリーズの勇次の描き方が、まさにそれにあてはまるのかもしれない。



○田中あずき


 出演作は郷倉くんの回で、綺麗にまとめてくれているので、割愛。

 眠る少女というバンドのギターボーカル。「南風に背中を押されて触れる」を読んで、可愛い子が岩田屋にいたもんだと思い、倉木作品にも登場させる流れとなる。勇次なんかを意識したせいで、処女をこじらせていく。


 自分がうみだしていないからこそ、描くのが難しい。ある部分では責任を持たねばならないし、ある部分では無責任でいられる。だから、トータルとして登場させて動かすのが楽しくもある。自分の中にあるキャラは、どうしても性格とかが偏ってしまうからなぁ。これからの問題点だ。


 岩田屋町において、色んな人物と関係があるので、自然と町を発展させるのに一役を買っている。普通な人として共感を得やすい部分も多いので、岩田屋のアングラな部分を描く際には、視点人物として使いやすそう。



○ヤガ・チャン


 出演作は「情熱乃風R」「岩田屋葛藤憚」シリーズ「西日の中でワルツを踊れ」名前だけなら、他の作品にもちらほら。

 大陸出身のとある組織の構成員。スーツではなく、白衣をまとう。

 前線で悪事を実行する中では、トップクラスの権力を持つ。そのため、岩田屋で起きる凶悪事件には、かなりの頻度で関わりをもつ。よくも悪くも、物語を盛り上げてくれる存在。


 敵側の思惑を読者に伝えるために用意した。正義の反対が悪ではないとわかるのは、葛藤憚3です。他に色々と書いているせいで、葛藤憚3の修正は、まだまだ時間がかかりそう。



○片岡潤之介


 出演作は「西日の中でワルツを踊れ」「はつこいクレイジー」

 特徴に関しては、郷倉くんの回で語られているので、僕が気に入った理由をシンプルに説明。


 岩田屋町の闇の濃さを描くには、もってこいの人物だと思っています。片岡潤之介を視点人物として描くつもりはないのですが、彼を登場させた作品で、倉木が三十代のうちに三十代の主人公をつくろうと思案中。

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