【郷】余談 質問することで知る新しい一面、質問に答えることで知る一面。
こんにちは。
郷倉四季です。
今回は余談です。
と言うことで、本題に入る前に一つ話をさせてください。
少し前に雑誌の「an・an」を買ったんですよ。表紙には半裸の山田涼介がこっちを見ていて、特集は「幸せで満たされる時間。愛とSEX」でした。
むちゃくちゃ堂々とSEXとか書いてあるなぁと思いつつ、コンビニで購入しました。
特集の趣旨は「リモートワークや社会的距離など新しい生活様式が定着する中、セックス観にも変化が……。人はセックスに何を求めるようになる?」でした。
面白そうじゃないですか?
更に、ファーストサマーウイカのインタビューがあったり、朝井リョウと古市憲寿の連載があったりするんですよ。
もう買うしかないじゃないですか。
ってな感じで僕は「an・an」とかは抵抗なく買えるんですよ。
ただ、男性ものの雑誌やDVDは、なぜか買おうと思えなくて二十九歳にして僕の部屋には本当にその手のものがないんですよね。
ほとんどがネットで事足りるというのもあるんですが。
などと書いて、ふと本当にそうだっけ?
と思いましたので、押入れを漁ってみると数百枚(!?)のアダルトDVDが出てきました。
倉木さん、覚えていらっしゃいますでしょうか。
僕が二十代前半の頃に誕生日プレゼントとして頂いたものです。これによって弟が僕の部屋に来た時に、「全部チェックする」と言い出して、一緒に遊べなかったことがあります(なにやってんだ)。
数百枚のアダルトDVDの中で、弟の食指が動いたのは数枚でした。
僕は貰った手前、見ないのも悪い気がして、ひとまず一枚ずつ流して眺める日々を過ごしたのですが、その結果、以前までだったらとくに好きだと思わなかった女性のタイプを好きになっていたんですよね。
人間って自分が何を好きになるか、ということを実は正確に理解していないんだなと、その時に改めて思いました。
そんな気づきを与えてくれた数百枚のアダルトDVDなのですが、流石にそろそろ捨てようと考えております。
結構、場所を取るんですよね。
という報告でした。
さて、本題です。
「往復書簡集」は一つ質問を決めて僕が答えて、倉木さんにも答えてもらう、という形で進んできました。
時折、倉木さんから質問をいただき、それに答える回もありました。そんな繰り返しを24回やってきました。
個人的に良いなと思う質問もありましたし、いまいちな質問もありました。
その中で僕が感じたのは質問に応えることよりも、質問をする方が難しいな、ということでした。
僕は倉木さとしという人間をある程度知っています。
知り合ってもう十年を超えました。
流石に、この質問は嫌だろうなぁと思うものは分かります。その上で、あえて悩ませてやろうと質問をする時もありましたし、この質問は好きだろうなぁというのもありました。
そうすると、倉木さんならこう答えるかな? と予想したりもするようになるのですが、今のところ、それが当たったことは殆どありません。
だからと言うのも変ですが、倉木さんからの回答をいただくのが毎回楽しみでした。
とはいえ、毎回楽しみなのは僕が倉木さとしという人間を知っているからだ、というのはあります。
倉木さんを知らない人、僕(郷倉四季)を知らない人がこの「往復書簡集」を読んだ時、どう思うんだろう? という危惧はありました。
可能な限り内輪にならないよう意識したのですが、これも成功している質問と失敗している質問がありました。
この先の質問では、この辺を改善していきたいなと思うと同時に、「岩田屋町シリーズ」という僕らが書いている町や物語についても触れて、がっつりとした内輪ネタで(勝手に)盛り上がりたいとも思っています。
いや、だって一応ね、僕がエッセイを書き始めたきっかけが、同時に連載をはじめた「眠る少女」を読んでもらいたかったからだったように、この「往復書簡集」も読んで楽しんで下さった方には、僕らの小説を一つでも読んで楽しんでもらいたいじゃないですか。
もちろん、「往復書簡集」だけを楽しんでいただけるだけでも十分嬉しいですけどね。ただ、書く側のスタンスとしては、その先にある小説にも手を伸ばしてもらえる方が一人でも増えるなら、こんなに嬉しいことはないんですよ。
と言う、あくまで願望を書いてから、話を戻したいと思います。
「往復書簡集」では僕が質問することが多いのですが、幾つか倉木さんからも質問をいただいたりしました。
その答えを考えている時、エッセイなどを書く時とは違う頭を使っているようで、自分でも意外な回答をすることが度々ありました。
個人的に内田樹の名前を結構出していて、エッセイではあまり書かない触れない内容だったなと個人的には思いました。
内田樹は一時期むさぼるように読んでいたから、僕の血肉になっている部分があったんだなと自分の書いた文章を読み直して感じました。
これからも往復書簡集を続けるつもりではあるのですが、早めなまとめを書くとすれば、やって良かったなと結論づけられます。
倉木さんに質問をすることで新しい一面を知ることができただけでなく、自分の気付かなかった一面にも気づけた訳ですから。
丁度、倉木さんからいただいたアダルトDVDを見ていて、それまで好きとは思っていなかった女性のタイプが実は好きだったんだと気づくような経験でした。
おそらく、最後の一文は不要だった気もしますが、せっかくなので残しておきたいと思います。
では、来週からまた質問に戻ります(多分)。
今後ともよろしくお願い致します。
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