第13話 ライターというお仕事

カクヨムさんでは約2年ぶりに書かせていただきます。


この約2年間、実に色々なことがありました。仕事のことはもちろん、書くことに対する心境が大きく変化しました。


これまで僕にとって、書くことは「創作」であり、自由に書きたいことを書き、それが仕事(報酬が発生する執筆)になることを目標にして書き続けてきました。


それこそがこのエッセイの題名となる「ライター」と「オーサー」の違いだと思ってきたのです。しかし、一度ライター業を始めると、実際にはクライアントからテーマや題材、取材対象などを与えられ、依頼者側が書いて欲しいことを書くことがほとんど。


書いて報酬をいただく以上、依頼者の意向は「絶対」です。もちろんそこに書き手なりの個性とテクニック、主体性を発揮しながら、作品(記事やコラム)を仕上げていきます。


そのことに異存はありませんし、ライターを標榜する以上、書き手として当然の「職責」だとも思っています。


ただ、今年の初めごろから書き出したのは、某業界の専門紙で、依頼される内容はこれまでの様な商業ベース(PVをどれだけ稼ぐか)に乗るような記事ではなく、どちらかといえば「ジャーナリズム」にもとづく記事。つまり、報道ベースの記事です。


紙媒体なので、厳しい文字数制限があり、「報道」なので、客観的な視点で事実のみを伝えなければなりません。


安請け合いをしたつもりはないのですが、実際に始めてみたら、報道ベースの記事作成はかなり大変です。報道は「鮮度」が命。これまで僕が請け負ってきた記事やコラムは、納期が約1週間から2週間、長いものだと1ヶ月程度。2000文字から5000文字程度のものが多く、時間をかけて調査、執筆してきました。


しかし報道ベースの記事納期は、短いもので当日。大体は2日程度のものが主流です。書く本数も、多い時は月ベースで40本~60本に及びます。文字数は短めのもので約400文字、主流は600~800文字、長いものでも2000文字弱なので商業ベースの記事やコラムよりも圧倒的に短いのですが、難しいのは「自分の言葉が報道になる」という点です。


商業ベースの記事やコラムでは、客観的事実の羅列をもとにして自分の主観を伝えることが書き方の手法ですが、報道ベースの記事は、客観的な事実のみを自分の言葉で世に知らしめなければなりません。


いやあ、これが実に難しい。正直、日刊紙の記事を書いている記者さんやライターさんの大変さがしみじみ分かりました。


一方で、これまで僕が知らなかったライティングの奥深さを垣間見させてもらったことに感謝しています。


ただ、他の大手サイトさんでも書かせてもらっていますので、この本数をこれからも継続して書いていけるかどうかはちょっと心配な部分もあります。


でも、せっかくいただいたご縁なので、できる限り頑張って書いていきたいと思います!


僕のライター・オーサー稼業がこれからどう転がっていくのか。またご報告させていただきますね。


ではまた。



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僕とライターとオーサーの違い 高ノ宮 数麻(たかのみや かずま) @kt-tk

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