第12話 なんだか最近書けないなあ…

ここのところ、お仕事は順調にいただいているのですが、ちょっとスランプ気味です(泣)。


書くテーマも、書く時間も、それぞれ割と余裕があるのですが、いっこうに筆が進みません。というか、机に向かいたくありません。


自分でもよくわからないのですが、最近は締切ギリギリまで机に向かわず、締め切りの前日や前々日に徹夜までして仕上げてる感じなのです。これは僕の描いてるライター像ではありません。


なぜこうなってしまったのか。実はひとつだけ思い当たる節はあります。数か月前、ある題材での執筆依頼がありました。内容は、これまで引き受けていた企業紹介の様な記事であり、別に難しいものではありませんでした。というか、難しくないと思って引き受けました。


ところが、この執筆が困難を極めました。執筆を始める前に、いつものように題材に対する調査業務に入った私は、いつもと違う違和感を覚えたのです。その違和感とは、これまで経験したことが無いものでした。


以前もお話ししましたが、記事執筆で重要なのは書くテーマや内容に関しての調査業務です。記事を仕上げるのに必要な時間のうち、この調査業務がその半分以上を占めます。なので、この調査業務が順調に進まなければ、執筆作業も当然順調には進みません。数か月前、僕が依頼を受けた題材は、この調査業務が遅々として進まなかったのです。


一般的に、調査はまずネットで行います。そしてそれを補完するように現地や関係者に取材を行うこともあります。しかし、依頼を受けた題材について調査を進めていくうち、僕はこの題材に関する情報が極端に少ないことに気がつきました。初めのうちは、少し時間をかければ調査は進んでいくだろうと髙をくくっていました。しかし、時間をかけても情報はほんの僅かしか得られず、僕は焦り始めます。


「こんな僅かな情報じゃ、依頼された文字数にはとても届かないぞ…」


その後も調査を続けましたが、結局得られた情報は少ないままでした。締切が迫るなか、僕は僅かな情報で何とか規定の文字数を書き上げ、納品することができました。ただ、ここで僕の心に引っかかってしまったのは納品記事の「クオリティ」でした。それまで僕は、自分の記事にある程度の自信を持っていました。その自信は、徹底した調査に裏打ちされたものであり、いわば僕のライターとしての矜持の様なものです。


あの記事を執筆してから、僕の筆速は明らかに遅くなりました。別に自信を喪失した訳でもないし、その後の依頼内容が特に難しくなったわけでもありません。ただ、調査業務に対して、ある種の苦手意識が生まれてしまったような気がします。ただ、どうしても執筆と調査は切っても切り離せないもの。書くためには調査が前提になります。


おそらくあのとき、「机に向かう⇒調査⇒時間がかかる⇒苦手⇒それでも書かなければならない」という、負の意識付けができてしまったのかもしれません。それでも、今月も締切がじわじわ近づいてきています。


ふう、。さて、今日は机に向かえるかなあ…



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