第24話 アタシ達は隠れた
アタシ達二人は近くの教室に隠れる事にした。
コツコツと足音が近づいて来るのが分かる。
先程アタシ達が急いで閉めたドアがガチャリと大きく音を鳴らして開いた。
「逃げても無駄だ、お姫さま。校門の憲兵を俺達が殺したのを見ただろう。投降すれば身の安全は約束する。」
足音はその獲物を狙って近づいていく。
ほんの僅かだけどカチャリと金属音がするのがあたしの毛を逆立たせた。多分銃の弾を撃てる様に装填しているのだろう。音を隠そうとしたのはアタシを安心させて油断させた隙に足を撃って逃げない様にする散弾だったに違いない。
ほんのわずかに顔を上げると軍服の姿にハチマキを頭に巻いている男が先ほど憲兵の人たちが持っていて四角いごつごつした機関銃を構えながらあたし達のいる教室に入って来るのが分かる。
部屋に入った男はすこしづつアタシ達の方へと近づいて来る。
でも向いている方向が違う。アタシ達の隠れている所とは逆の方向を警戒していた。
チャンスと感じたのかお兄さんはアタシにそこにいるようにと手仕草で指示を与えた後、バレない様に近づいて拳銃をゆっくり男の後頭部に突き付けた。
「残念。当てが外れたな。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます