4
アリサは学校に着くと私をランドセルから外して、そのまま机のところまで持って行く。
1時間目は算数だ。
「今日の算数は
アリサが言った。
学級活動が
ただ、
「おかしいな、絶対わかるはずなんだけど……」
小さな声で
「あ、そうか」
何かひらめいたらしく、
「川合さん、1番。橋本さん、2番。
と指名する。2番の問題を当てられたアリサは、前を見てノートを写し、黒板の問題を解き始めた。
ゆっくりとうなずくと、アリサは前に出て黒板に自分の答えを書いていく。だいたい合っていそうだったが、最後の答えは少し間違っている。分数の計算でミスが出ていた。
「はい、1番、正解です。2番……橋本さん、今日の話はわかったみたいですね。計算、ちょっと
「あ……」
はっとした顔はしたものの、アリサはそんなに
満足そうな顔をしたアリサを、チハルが少し不安そうに見つめる。
休み時間になると、教室はかなりガラガラになった。女の子が数人と、男の子が1人だけ、教室に残っている。チハルがアリサに近づく。
「アリサ……あのぬいぐるみ、変な使い方してないよね?」
「変なって?」
アリサは何でもないという顔で応じる。
「だから、学校の勉強が全部できるとか、何も努力しなくても答えがわかる、みたいな
アリサは少し笑った。
「さあね。どんな使い方だって、それでうまくいけばいいのよ」
チハルの顔が
「私、心配だよ……」
「はあ?」
アリサは
チハルはそっとアリサから
アリサにとって、幸せになるとは何を意味するのだろう。幸せになると言いきったから幸せになるのか。それとも、具体的ではないから、
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